九段坂公園は地下鉄九段下駅を出てすぐ、皇居のお濠の一つである牛が淵に沿った細長い形の公園です。

 

園内の目立つ位置に立っているのは品川弥二郎(1843~1900)像。品川は松下村塾で学んだ政治家で、明治に入ってからはドイツ大使、内相などを歴任し子爵に叙任されました。(この人、愛されキャラでも知られてますよねギザギザ

 

像の制作を監督したのは、明治時代に木彫に写実主義の技法を採り入れその蘇生に貢献した彫刻家、高村光雲(1852~1934)です。(ちなみに品川像は銅像ですブタ

 

品川は大日本農会初代幹事長を務め、日本の農業発展に貢献したことでも有名です。この会は農業巡回教師制度、品評会、会報発行などを通じ農業技術の普及に努めました。

 

(内相在任時に衆議院選挙に大規模に干渉し、松方内閣退陣を引き起こした事件が品川の晩節を汚してしまいました)

 

(妻静子は山縣有朋の姪でした)

 

公園の西端近くには、西郷隆盛の従兄弟で「陸の大山、海の東郷」で知られた大山巌(1842~1916)元帥の騎馬像も。像には側碑が建てられ、篆書で一つ一つしっかり刻まれています。

 

「幕末のジャンヌダルク」と呼ばれた新島八重の一生を描いた大河ドラマ「八重の桜」では、大山が会津戦争で薩摩軍砲兵隊長として鶴ヶ城攻撃を敢行したものの、城内からスナイパー八重に狙撃され撃退されてしまう場面が登場しますねキョロキョロ

 

(大山は味方の戦況が危機的な時にジョークを繰り出して緊張感をほぐし、冷静な判断を導くようにした逸話で知られます)

 

高灯篭は1871年に靖国神社の献灯として設置され、元は神社境内にありましたが、1930年に靖国通りを挟んで向かい合う九段坂公園に移転されました。

 

本来の役目は灯篭なのですが、設置当時は周囲にさえぎるものがなかったため、品川の海を行く船にとっての目印として灯台の役割も担ったようです。(結果オーライちゅうことで晴れ

 

高さが16.8メートルもあり、灯篭というより古風な灯台と言われた方が確かにしっくり来る建造物です。

 

(訪れたのが夕方。ただただ幻想的でした照れ

 

靖国神社、北の丸公園という人気スポットに挟まれた九段坂公園は完全な脇役(というか通行人Aくらい映画)の位置付けとなってしまっており、ほとんどの人が通り過ぎるだけだったのが少し寂しい気がしましたあしあと