インフルエンザに罹患して以降、当然といえば当然ながら自室に籠ったままの”座敷牢”状態。家族も接触を避けてか、一日一回部屋の扉越しに食事が置いてあるだけ。これがギョーザなら、まるで『オールド・ボーイ』(パク・チャヌク監督)だ(゚Д゚;)

 

 それにしてもこの映画、主人公のオ・デス(チェ・ミンシク)はいきなり15年間も密室に拉致監禁されて、その間ギョーザしか食べさせてもらえないというえげつない仕打ちを受け続ける。さすが「恨三百年」の韓国(朝鮮)ならではの発想だな、なんて思ったら、実はこれって原作は日本の漫画だった(さすがにギョーザってのは映画版のオリジナルかもしれないが……)。

 

 物語は、学生時代に近親相姦的な行為に及んでいた姉弟をオ・デスがからかい、それに気を病んだ姉の自殺によって、その復讐に燃える弟が仕掛けた壮大なトラップだったんだけど、そのオチはオ・デスにも近親相姦をさせるネチッコイもの。そのため15年の月日が必要だったのである。幽閉を解かれたのち知り合った少女が親子であるとは共に気づかない2人が成り行きで事に及ぶ。そしてすべてを知った時、オ・デスの取った行動は、てのがクライマックスになる。

 

 よく、いい歳こいたおっさんが援助交際(今でもそういうのかな?)にうつつを抜かし、「娘みたいな子と何やってんだ!」って非難されるけれど、その「娘みたいな子」が「本当の娘」だったってのが本作のテーマなんだから、上記のような世の不埒な親父どもに、我が行動の愚かさを肝に銘じさせるには、うってつけの作品かもしれない。

 

 そういえば、本作で悲劇の主人公を演じたチェ・ミンシクって、私が究極のヒロインアクションと評価している『LUCY』での、極悪非道の韓国マフィアのボス役の方が鮮烈に印象に残っているよ。いずれにしても180°の転換だ!(;^_^A

 

 

 そんなことをくどくど考えながらも”座敷牢”生活はもう少し続きそうだ。嗚呼、また背筋の方が痛くなってきた……