先日、地上波で『僕のワンダフル・ライフ』という映画を放送していて、娘たちにつられて、つい最後まで観てしまった。で、思いがけずホロッとさせられる作品だった(;^_^A

 

 

 物語は、何度も新しく生まれ変わっては、様々な飼い主との生活を謳歌する不思議な犬が主人公の話で、実際彼は、毎度飼い主との生活を全うすると、その姿を変えながら、次々新しい飼い主との素敵な生活を体験する。時として警察犬として飼い主の好きバディとなって殉職したり、奥手な飼い主の“愛のキューピット”を演じたり……。その都度訪れる“大往生”は一抹の寂しさを感じさせるものの、必ず生まれ変わるという設定故、悲壮感はない。

 

 そんな展開が劇中続く中、後半に思いがけないクライマックスが訪れる。それまでの“予定調和”で生まれ変わりを繰り返した件の主人公(犬)だが、ある時、無責任な娘に引き取られ、しかも犬の飼育に否定的な粗雑な娘の父親に粗末に扱われ、挙げ句の果てには山奥に捨てられてしまう。そこで主人公は、宛もない旅を続ける羽目になるんだけど、そうやって彼がたどり着いた場所は、2度目に大事に育てられた農場。そこには、以前の彼を育てていた時には少年だった男が、壮年となってその農場で暮らしていた。奇跡的な再会を喜ぶ主人公だったが、生憎男は彼の素性に気付かず、最初は彼を保健所に連れて行く。でもすぐに思いとどまって再び主人公を引き取り、一緒に暮らすことを決意する。

 

 そんな主人公が、とあるきっかけで、男がかつて好きだった女性を彼の元に向かわせ、やがて結ばせる“キューピット”役を演じる。後の物語の関心は、姿形は生まれ変わっているものの、内心はかつて幼少期の彼に買われていたときと変わっていない主人公が、男に自分がかつて彼に飼われていた犬だと気付かせるだけとなったが、映画の冒頭に登場する、彼と主人公の犬との交流シーンと全く同じ仕草を主人公がしたことで、無事男にその真意が伝わり、ファンタジーながら、見事な予定調和のハッピーエンドで幕を閉じる。

 

 劇中、紆余曲折を経ながらも、無難にハッピーエンドになる辺り、しかも時空を超えた奇跡の再会という辺りが、なんとも心地よく、涙を禁じ得ない展開だった。こういう観る側に素直な展開は大好きだ。もっとも、「ご都合主義」とのそしりもあろうが、そもそも「生まれ変わる犬」という設定自体、荒唐無稽で“馬鹿馬鹿しい”訳なんだから、細かいディティールに拘る必要もない。これこそ良質のエンターティメントだ(;^_^A

 

 本作に感激した娘たちは、早くも現在公開中の続編『僕のワンダフル・ジャーニー』を映画館で観に行きたいと言い始めているよ(;^_^A