世界最高のバスケットボールプログラム。
世界”最強”のチームはロサンゼルス・レイカーズを筆頭に、
ボストン・セルティックスや(苦しんでいますが)今季からの
マイアミ・ヒートなど、当然NBAチームであることは間違いないと
思うのですが・・・
”バスケットボールプログラム”というものはコーチが作るものだと
考えています。
フィル・ジャクソンもドック・リバースも偉大なコーチですし、
ジェリー・スローン率いる、ユタ・ジャズという特別な球団も
存在しますが・・・プロチームはどうしても選手が主役だと
感じてしまいます。それはコービーだったりピアースだったり
レブロンやウェイドだったりと。
今オフのレブロンの例をあげるまでもなく、ビジネスの世界では
トレードなどによる移籍は頻繁に行われるので、この選手移動によって
球団のカラーはガラッと変わってしまいます(たとえコーチがそのままでも)。
ビッグ3前のセルティックスの例をあげるまでもなく、です。
バスケットボールを好きになって、30年ほど見続けてきました。
この間、アメリカだけでなく世界のバスケットボールをリードしてきたのは
2つのカレッジチームだなと思っています。
いまや誰もが知る、ノースカロライナ大学とデューク大学です。
(現在UNCの調子がイマイチで、この記事とずれるようではありますが)
ノースカロライナはNCAAトーナメント出場が41回で、ケンタッキーに
次ぐ全米2位。優勝5回で、ファイナルフォー進出はなんと18回。
マイケル・ジョーダンを輩出したほか、ラリー・ブラウン、ジョージ・カール、
現UNCヘッドコーチのロイ・ウィリアムスといったコーチ陣に、GMなど、
NBA界においても同校OBの影響は絶大。もちろん現役でも
ビンス・カーターなどスターが大勢。
一方のデュークはNCAA出場が34回。優勝4回、準優勝6回。
ファイナルフォーへは15回進出。
OBにはグラント・ヒルやカルロス・ブーザー、JJ・レディックにルオル・デン、
エルトン・ブランド、シェーン・バティエ・・・。
コーチだとハーバード大学のトミー・エイマカー、スタンフォード大学の
ジョニー・ドーキンスに、フィラデルフィア・76ersのAC、クイン・スナイダー。
NBA球団フロントにはダニー・フェリーやビリー・キング。
こちらの影響力も強い。
そして彼らを育て、両校のプログラムを確固たるものにしたのが
2人のコーチ、ディーン・スミスとコーチKことマイク・シャシェフスキー。
もちろん、揃ってホールオブフェイマー。
単純にバスケットボールの成績だけを比べると、ケンタッキー大学なども
超一流校ですが、スミスやコーチKが評価されるのは「人間」を育てたこと。
今となってはプレイヤーのアーリーエントリーを止める術はありませんが、
基本は4年間在籍させることに重きを置き、選手の卒業率が非常に
高いのは、それだけでも特筆されるべきでしょう。
マイケル・ジョーダンが3年、グラント・ヒルが4年、カレッジでプレイした
というのは現在の状況では考えられません。。。
現UNCヘッドコーチでスミスの元トップアシスタントでもあり、カンザス大学で
ポール・ピアースを3年間コーチ。やはり殿堂入りしているロイ・ウィリアムス
も含め、彼ら3人の、高校選手リクルートの際共通しているのは
プレイングタイムやスターターを決して保証しないこと。恐らくそれなりの数の
コーチが、スターターの確約や1年でのプロ入りを平気で認める中、
少なくともこの3人は自己中心的なスター選手には手を出しませんでした。
ディーン・スミスについては、教え子のマイケル・ジョーダンがあまりにも
有名になりすぎたので、単にジョーダンの元コーチとして知られてしまって
いますが、バスケットボール界に多大な影響を及ぼした人物です。
(ちなみにジョーダンをリクルートしたのは、当時UNCアシスタントコーチ
だったウィリアムスであることが有名)
・意味の無いプレイ?として、一時NCAAで禁止になりかけたダンクショットを
逆に奨励したこと。
・相当に早い時期に、保守的なノースカロライナにあって、黒人選手を
リクルートしたこと。
・そしてこちらも相当早くから、外国人留学生プレイヤーを受け入れていたこと。
・数々の”発明”をしたこと。(以下、Dean's listより)
TIRED SIGNAL:選手がベンチに向かって、疲れた時に交代を要求する合図。
*現在でも、コーチが全権をもつチームなどにおいては認められていない。
FOUR CORNERS:逃げ切りを図る際、ゲーム終盤に行う時間稼ぎの戦法。
*ショットクロックの関係で、NBAでは無理ですが・・・。
CHANGING DEFENSE:マンツーマン、ゾーンをゲームの局面で使い分ける
戦法。
WRISTBAND:説明不要ですが、バスケットボールでの使用はスミスが考案。
テニスを見ていて思いついたそうです。
STOP THE CLOCK:これも今では当たり前。負けているゲームの終盤で、
自チームがショットを決めた後、時間を止めるためにTOを取ること。
HUDDLE UP:これもいつでもどこでも見られる。フリースローなど、プレイが
止まった時に選手が集まって話し合うこと。
THANKING THE PASSER:ナイスパスを決めた選手などを指差して感謝する。
これらはいまや当たり前に行われていることですが、いずれもスミスが
考えたことです。
スミス時代のノースカロライナに、スペインバスケットボール関係者が師事した
ことなどが有名ですが、ユーロをはじめとした各国のバスケットボール関係者が
両校を訪れ、自チームの強化に務めています。日本も例外ではありません。
アメリカのバスケットボールレベルが落ちたというより、ユーロ、南米などの
レベルアップがはかられたのは、UNC、Dukeが大きく関係しています。
アシスタントにジョン・トンプソン(現ジョージタウン大学のHC、トンプソンⅢの父)
を従え、スミスは1976年のモントリオールオリンピックでUSAを金メダルに。
そしてご存知のとおり、コーチKはバルセロナでアシスタントとして、
北京オリンピックではヘッドコーチとして金メダル獲得。先日のトルコ世界
選手権でも見事にUSAを優勝に導きました。
選手は全員NBAから選抜されながら、USA BASKETBALLは全てをコーチKに
任せています。
マンツーマンディフェンスの鬼、ボブ・ナイトの弟子であるコーチKや
スミスの弟子、ウィリアムスは師をよくよく研究したのでしょう。簡単に言えば、
「全てをいいとこどり」したようなプログラムを築いています。
ただその根底にあるのは戦術がどうこうではなく、人間性を鍛えるという点で
あることが見逃せません。
たびたびNBAへの転身が噂される、ミシガンステイトのトム・イゾー。
フロリダ大学を連覇に導いたビリー・ドノバンと、その師匠、現ルイビル大学の
リック・ピティーノ。
ケビン・ラブやラッセル・ウェストブルック、ジョーダン・ファーマーにアーロン・
アフラロ・・・NBAに多くの人材を送り込んでいるUCLAのベン・ハウランド。
・・・
選手以上に存在感のあるNCAAにおいて、名将は数多くいます。
実際、全日本をここにあげた誰かに任せたら、早々に結果を出せるのでは
ないかと本気で思います。
それでもやはり、デュークとノースカロライナ。
この2つは特別な中の特別。強豪中の強豪。
世界をリードするチームなのだと思っています。
最後に、管理人コレクションから。
こちらも同様に、2つの最強スウェットシャツです(笑)。
左のノースカロライナはチャンピオンのリバースウィーブ。
右のデュークはラッセルのプロコットン。
(染みこみプリントとか、ランタグとか、ビンテージの世界は
よくわかりません。。。)
これもご存知のとおり、デューク大学、ノースカロライナ大学
は”奇跡的に”、実に車で数十分でお互いを行き来できる
ロケーションにキャンパスがあります。
デュークは私立、UNCは州立。ともに全米有数の
学業優秀校。
他の有力校と同じく、美しいキャンパスを持っています。
一番近い国際空港ローリー=ダーラム、そしてシャーロット
にも日本からの直行便はなく、シカゴやワシントンDC経由
が一般的です。
やはり強豪校で、スパッド・ウェッブやネイト・マクミラン、
デビッド・トンプソンらを生んだノースカロライナステイト大学
や、マグジー・ボーグス、クリス・ポール、そしてティム・
ダンカンらの母校、ウェイクフォレスト大学も
車で2時間ほど。
もちろん、シャーロット・ボブキャッツも合わせて、
ノースカロライナ州は一度は訪れるべき土地でしょう。
詳しくは↓
