TVドラマの主流が韓国物ばかりになってしまった現在だが、自立と葛藤、原罪意識というキリスト教的テーマを根底に持つアメリカ型(TVドラマの元祖という意味で)のTVドラマはよく観る。
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「悪魔の手ざわり」The Evil Touch は、アメリカとオーストラリアとの共同制作で、1973年に放映され、日本では1982年に放映されました。スモークの中から現れるストーリーテラー=アンソニー・クエイルが毎回 "あなたの魔にご用心" と視聴者を脅かしながら、黒魔術、幽霊,吸血鬼など超自然を題材に "人は心に魔が訪れた時、どのような行動をとるのか?" を戦慄の結末で見せるくれる30分のホラーアンソロジー。「ミステリーゾーン」や「ヒッチコック劇場」と比べるとオチの部分が殺伐とした雰囲気がある。レスリー・ニールセン,ビック・モロー,ダレン・マクギャビン,ノエル・ハリソン,ロバート・ランシング,スーザン・ストラスバーグなど有名TVスターがゲスト出演している。
サブタイトル:(日本放映順)
01.死霊の女
02.恐怖の大晦日
03.オウムは知っていた
04.先手必勝
05.船出
06.正夢
07.神隠し
08.帰郷
09.いとしの怪獣
10.子供ら
11.逆行
12.2020年の大統領選挙
13.死亡記事
14.湖
15.ジョージ
16.以心伝心
17.ファン
18.死人の誘い
19.裁き
20.空白の映像
21.マーシー
22.風変わりな遺産
23.蘇る死体
24.亡者の集まり
25.カダイチャの土地
26ゲーム・オブ・ハーツ
Subtitle:(オリジナル放映順)
01.The Lake
02.Heart to Heart
03.Dr. McDermitt's New Patients
04.The Obituary
05.Happy New Year, Aunt Carrie
06.A Game of Hearts
07.Seeing Is Believing
08.The Upper Hand
09.Murder Is for the Birds
10.Marcie
11.George
12.Scared to Death
13.The Homecoming
14.Dear Beloved Monster
15.Campaign 20
16.Faulkner's Choice
17.Dear Cora, I'm Going to Kill You
18.The Trial
19.The Fans
20.Kaidaitcha Country
21.Gornak's Prism
22.The Voyage
23.Death by Dreaming
24.Never Fool With a Gypsy Icon
25.They
26.Wings of Death
(ウィキペディアより引用)
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この番組を初めて観たのは’82年だから、俺はまだ小学生だった。
土~日曜の0時を跨いだ深夜、家人が寝入った後の暗い居間。明かりはTVだけ。この手のサスペンス・スリラー物は、暗い部屋で独りで鑑賞するに限る。
低予算の製作費を補う為か、時折、主役にビッグ・ネームを配したのだろうが、肝心のストーリーが練り込み不足だったり・・・
毎週、楽しみに放送開始を待ち侘びてるのに、その回がお粗末なオチだったりすると、
「俺だったら、こんな展開にするのに!」
と、憤慨して部屋に戻り、記憶が新しいうちに感想文を書いた。
(ビデオ・デッキが普及する以前だったので、記憶と観ながらのメモだけが頼りだった)
思うに、このシリーズの売りは、ストーリー・テラーを務めるアンソニー・クェイルが
番組の最後にダメ押しのオチを付けるところだった。例えば、
「この世の中に醜い愛情なんてものはない。そしてまた、美しい牢屋もない」
(上の一覧でいうと「蘇る死体(Dear Cora, I'm Going to Kill You )」または「身の上相談者の解答」)
これなんかは、30年近くも前の記憶なのに強烈に記憶に焼き付いている。
この回の話は、夫殺しの完全犯罪を目論んだ人気カウンセラーの妻を、刑事がトリックを用いて脅迫し、自白に追い詰めるというオチだった。ハッタリかまして犯人に自白させるのは「刑事コロンボ」の十八番だが、こっちは30分番組、展開が速いのは良いが粗筋辿ってるだけのようなストーリーである。ま、だからストーリー・テラーが必要な訳だが・・・
しかし、シリーズ全体を通しての粗雑なストーリーと殺伐としたラスト・シーンが、返って強烈な印象を記憶に刻み込んだのは確かだ。
ネットで調べると、同様の感想を持った方もいるようで、ストーリーより番組の雰囲気やテーマ曲に心惹かれるものがあるようだ。
(クェイルの吹き替えを演じている『柳生 博』の語り口の妙ってのもあるかもしれない)
駄作・傑作、玉石混交であるが、「2020年の大統領選挙」がSFテイスト溢れる傑作として挙げられるのは良しとして、「帰郷」なんかは俺好みだ。
ストーリーの解説は省くとして、俺は、動物(イヌとカエルは除く)や幽霊や妖怪、怪物といったものには全く恐怖を感じないのだが、人間のダーク・サイドというか強欲さや身勝手さには人一倍、敏感に恐怖を覚える。
これを観た時に受けたショックと同じものを味わったのは、永井 豪『デビルマン』の「人間狩りだ~」くらいか?
(絵本の「かわいそうなゾウの話」を幼少時に読んで以来、人間不信に陥った俺である。戦争は嫌だね~、哀しいね~(ノ_-。)と、他人事のように抜かす間抜けは吊るし首にしろ!悪いのは、すべて人間じゃねえか!!同じ人間である、お前なんぞに涙を流す資格はない!!!)
惜しむらくは、この手のダーク・アンソロジーが、キワモノ好きの嗜好品に成り下がっている事である。作品としての出来は2流、3流かも知れないが、それを1流にリスペクトする才能はないのかね?
そんなに言うなら、お前がやれって?
俺には無理だよ。だって、俺、心に「魔」なんて住まわせてないし。何より、人間じゃないし・・・