" Restriction to Rising"第3戦
                  2003年11月22日 ディファ有明  観衆2000人(満員)
第1試合 ▽シングルマッチ 20分1本
大山まどか 4分0秒
ビクトル腕十字固め
田宮双葉
 今シリーズ、飛躍を期待された田宮がとうとうここまで落ちてしまった。対する大山も秋野と同期。共にこんな所にいて良い選手ではない。それだけに二人の奮起を期待したのだが、試合は噛み合うことなく、低調な試合展開に。ラストも唐突に出した田宮のサブミッションであっけなく決着した。


第2試合 ▽タッグマッチ 30分1本
武士俣梓 14分37秒
四の字固め
あまの陸
桜田春奈 長谷部浩美


第3試合 ▽6人タッグマッチ 30分1本
越谷沙織 25分3秒
ドラゴンスープレックス
ホールド
清流桐子
長田優美子 坂崎理子
田原みちる 武石真央
 意外に少ないドングリーズの3人揃い踏み。成績はともかく、内容は好調の越谷と長田はこの試合でもそれを持続。これに触発されるように田原もいつもより動きが良い。
 一方の若手組は清流と坂崎の仲の悪さもあって、コンビネーションが今ひとつ。それでも個々の能力の高さでてんでがわがままに戦い先輩に対抗するが、普段から固い絆で結ばれているドングリーズ鉄の連繋の前に分断されがちに。
 最後は越谷のジャーマンからドラゴンスのスープレックス2連発の前に坂崎が轟沈した。しかし、敗れた若手組、中でもGEO帰りの坂崎は、一つ一つの技を正確に、丁寧に決めようと言う心がけが見て取れ、あの試合が彼女に何らかの意識変革を促したことが見て取れるなど、収穫もあった試合だった。

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第4試合 ▽タッグマッチ 30分1本
大河内千穂 16分45秒
ダブルアームスープレックス
ホールド
景浦七海
伊集院光 トト=カラス
 試合どころではないと思った幕開けが、意外にも好勝負を生んだ?
 前節大河内を椅子で襲った茶川が、椅子持参で『ウチらの世代』組のセコンドに付く。景浦は落ち着かない様子だが、トトはいつもどおりといったところか。
 対するベテラン組は飄々と入場する。リング中央から、青コーナー下に椅子に座って腕組みする茶川にじっとにらみを効かせる大河内。茶川も動じない……そこをトトがラリアットで急襲して試合が始まった。

 このマッチで光ったのは、ただ一人ヘビー級のウエイトを持つトトのパワーである。ジュニアでありながらトップクラスの大河内、パワーでは引けをとらないベテラン伊集院両者を、面白いように吹き飛ばしていく”若さゆえの真っ直ぐな”パワー。前節伊集院に遅れをとった絞め技にハマらぬよう注意しているのか、立ち技中心のラッシュファイトで先輩二人とゴツゴツやりあう。
 対照的に悪かったのは景浦。トトが流れを作ってもどうも乗り切れない。大技は見せるのだが単発で、流れを切られて大河内の関節や伊集院の絞めによるグランド地獄にハマるジリ貧の展開。
 噛みあわない若手二人に対して、普段はパートナーの抑え役に回ることの多いトップ二人の連携はスムーズである。トトに圧されながらもうまくダメージを分散するようなスイッチワークと、景浦を早めに潰すことでトトに回復の暇を与えない。

 この差は大きかった。攻め疲れのトトに大河内が一気の反撃。変則的なキックから高速DDT。さらにチキンウイングアームロックでトトの”プチ豪腕”をじっくりいたぶって景浦にスイッチさせると、もう二人がかりのやりたい放題。
 最後は、景浦もなんとかしたかったのだろう。全く前触れナシの不知火を伊集院に放とうとするが、途中で堪えられて垂直に落とされてしまいジ・エンド。そのまま高速ダブルアームスープレックスの餌食に。救助に飛び込んだトトも大河内の飛びつき腕十字で絡み取られてゴングを聞いた。

 試合終了の直前に茶川が『何もせずに』退場していく姿が印象的であった。(毒舌記者N)


第5試合 ▽シングルマッチ 45分1本
三島光 16分57秒
タイガードライバー
→体固め
藤村樹生
 静かなさぐり合いで始まり、じっくりとした寝技の攻防が大半をしめたこの試合。グランドも好きだという藤村が常に先手で三島の左膝を攻め続ける。一連の足殺しから低空ドロップキック、ドラゴンスクリューを経て四の字に繋ぐ必殺パターンで追い込むが、三島にはまだ余裕があった。二度に渡る四の字から脱出すると、逆にフェイスロックで強烈に締め上げて反撃開始。藤村もシャイニングウィザード、ドラゴンスープレックスを繰り出して対抗するものの、三島は全てキックアウト。大高戦同様、攻め手を失った藤村にはもはや勝機はなく、三島のタイガードライバーにあっけなく3カウントを献上した。

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セミファイナル ▽タッグマッチ 60分1本
立花忍 無効試合 大高はるみ
ミスティ茶川 ジェット=リン
 これだけのカードである。メインは飾れなかったが、リンチャグにとっては待望であった『心のメイン』を対決で飾ることになったと言ってもいいだろう。
 立花にとっても難敵大高を相手にし、このシリーズ指導している茶川とのチームを試すカード。大高も三島に続いてのトップランカー立花&元弟子の茶川との一戦である。
 このカードをセミに使える辺り、当事者には皮肉だが『”IWWF対抗戦下”アバロンの活発ぶり』を感じてしまう。

 先発はリン。前節の椅子攻撃の余波か、当然茶川を相手に指名する。茶川はこれを無視して立花に先発を譲る。これが、リンの潜在能力に火をつけることになった。
 リン、立花相手にイキナリの飛び蹴り。そのまま掌打連打で立花からまさかのダウンを奪う。
「出て来い、馬鹿ちゃがー!!」
 リンがこれほど感情を顕わにしたことがあっただろうか?? 会場は大声援でリンを支持。しかしココは立花返しのローリング袈裟切りチョップを側頭部に叩き込まれてダウン。大高が無理やりタッチ。
 立花は一気にペースを上げ、1ダースの逆水平→超滞空ブレーンバスターで先制。だが大高も組み付いてフロントスープレックス×2。二発目はかなりエグイ落とし方で流れを止め、立花が茶川にスイッチ。
 茶川の登場と共にブーイングが起こる。ロックアップから首投げ→上を取って首を巻き込みながら体重をかけてスタミナを奪いにかかる大高。茶川はブリッジで粘り逃れるが、大高が足を取って得意のアンクルホールドへ。
 ところが今日の茶川は鋭い。スッと倒立から大高の足に絡みつき、逆転のヒールホールド。ブーイングなど吹き飛ばす戦いぶりであるが、ここでリンの感情が抑えきれなくなった。
 椅子を持って茶川をカットし、その後も執拗に茶川を打ち続ける。茶川は打たれながら立ち上がり、リンは打ちつづけ……茶川のカウンタートラースキックで椅子の座板が打ち抜かれた!!

 もう試合どころではない。リンも茶川も試合権利にかかわらずリングの中央で取っ組みあいを続け、立花と大高も互いのパートナーを分けるので精一杯。試合続行不可能と見たレフリーが試合を止めた。(詳報記者参号)


 「ウチらの世代」の象徴、茶川とリンの感情剥き出しのファイト。今日はもう、これに尽きる。
 一直線な感情剥き出しのリンと、得意の”耐えて一発”スタイルに磨きがかかった感のある茶川。立花や大高には悪いが、この二人がこのシリーズ初めて『存在感で上を食った』試合だったのではないかと私は感じた。立花も大高も、こんな後輩達に頼もしさを感じたのではないかと思うのは、私の贔屓目ゆえであろうか……
 このシリーズは、いろいろなことがありすぎる。だが、希望の光はここにある……私にはそう感じられてしかたがない。(補足:毒舌記者N)

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メインイベント ▽タッグマッチ 時間無制限1本
秋野珠美 9分40秒
ダブルインパクト
→片エビ固め
リリィ=スナイパー
ブレード上原 コリィ=スナイパー
 先ほど不完全燃焼のセミを終えた茶川が控えに戻らず、そのままメインの秋野・上原組のセコンドに。今シリーズ、彼女の姿がある試合は荒れることが多く、波乱のメインを予感させる。
 開始前から荒れ模様の中、赤コーナーで一番最後に入場する秋野。しかしテーマ曲が鳴り始めても一向に姿を現さない。
 不審に思った観客達がざわつきはじめた頃、ようやく秋野が姿を現す。観客達は大歓声で迎えるが…何かが違う。戸惑い気味の秋野コールの中、花道を中程まで進んだ『秋野』がフードを跳ね上げると、そこに現れたのは、なんと秋野の弟子・桜田の困ったような顔。
 影武者桜田の登場とほぼ同時に、暗がりに乗じて青コーナー側から入場してきた本物の秋野が奇襲攻撃!! 上原もこれに呼応して襲いかかる。知能犯コンビの策が的中し、混乱の中ゴングが鳴らされる。
 意表を衝いた奇襲でペースを握った秋野組、リリィを場外に追い出すとコリィに秋野のいきなりのエクスプロイダー。さらにDDTで頭を叩き付けると、そのままフロントネックロックの体勢に。旗揚げ戦で見せた必殺パターンががっちり極まり、このまま一気に絞め落とすかと思われたがコリィ、これを執念でエスケープ。
 客席からは大チャンスを逸したことに大きなため息が漏れるが、なお続く秋野組の優位に期待を繋ぐ。
 手を休めない秋野組は秋野と上原が交互にコーナーに控えるリリィを牽制しながら、コリィを休ませることなく流れるような連続攻撃を見せる。
 5分過ぎ、再び秋野のエクスプロイダーから、今度は上原のアステカスープレックスのスープレックス連繋で畳みかけるがこれもカウント2でキックアウト。カットに飛び出してきたリリィを上原のカウンターのドロップキックで止めると、秋野が捕まえてロープに振る……と、控えていた茶川がリング下からリリィの足を掴んでリング下に引きずり落とす。
 茶川はイスをフルスイングしてリリィをめった打ちにしてさらにリングに上がると、恨み重なるコリィには復讐のヴァンドミネーター!!前回の借りをここでキッチリ返すと共に、秋野と上原とアバロンの勝利へ強力に援護する。
 思わぬ展開に沸く客席だが、秋野組はあくまで冷静。恐らく茶川の乱入も折り込み済みで試合に組み込んでゆく。手を抜かない二人はそこからさらに攻め続ける。秋野のえげつないパイルドライバーでダウンさせるとコーナーに飛び乗った上原が初公開のカンクントルネード!!ベテラン上原、ぶっつけ本番でトライした大技を完璧に決めてみせる。
 ここで勝利を確信した上原はようやくカバー。観客もレフェリーとカウントするが、秋野と茶川を吹っ飛ばして駆けつけたリリィのカットが間に合いまたしてもカウント2。
 ここで決められなかったことが結果的に勝負の分かれ目になってしまった。
 前半、コーナーに封じられていたリリィが目立ちはじめると、それと共に徐々にパワーで勝るスナイパーズが試合を押しはじめる。そして遂に8分過ぎ、リリィの投げっぱなしジャーマン3連発が火を噴き、これで上原が事実上のノックアウト。秋野も直後にコリィのSSDを喰らい、一度はこれを意地で返すがもはや反撃の力はない。
 悲鳴のような秋野コールの中、トドメのダブルインパクトが炸裂し、勝敗は決した。

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