家長昭博の微妙な復帰試合 | サッカーコラム Jリアン

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長昭博がピッチに帰ってきた。
今シーズン、ガンバから期限付き移籍でトリニータに加入。しかしキャンプが始まる前、2月8日のトレーニング中にに右膝前十字じん帯損傷の大ケガを負ってしまった。
それからというものの長い長いリハビリ生活に励んだ。

ガンバではレギュラーポジションを失い、新天地を求めてトリニータへとやってきた。五輪代表への復帰も視野に入れアピールするつもりだったのだろう。
その中での大ケガである。もちろん開幕には間に合わず、目標にしていたであろう北京五輪への出場も絶望となった。
約7カ月近いリハビリ生活を終え、ようやくトレーニングマッチやサテライト戦に出場できるまでになった。
9月27日、対横浜F・マリノス戦。ようやく辿り着いた遠征メンバー入り。この日のトリニータのベンチ入りメンバーを見ても攻撃的な選手はFW高松大樹、MF清武弘嗣、そしてMF家長昭博。シャムスカ監督の中でも攻撃の切り札としてのオプションを想定していただろう。


合はトリニータが先制された。暫定首位のトリニータは攻めにいかざるを得なくなった。そんな時、ベンチで準備をする背番号14が映し出された。
後半26分。高松大樹とともにピッチへ送り出された。
トリニータサポーターは家長昭博の遠征メンバー入りが発表された時に、この日のために何か月もリハビリに打ち込んできた男がピッチに立つ瞬間の感動的なシーンを思い描いただろう。
しかし実際に家長昭博が投入されたときには流れが悪かったし、トリニータは点を取りに行かなくてはならなかった。
そんな中、家長昭博になかなかボールが集まらない。トリニータは流れを引き寄せられないまま敗北した。

皆が想像していたであろう感動的な復帰戦とは、残念ながらならなかった。
得意のドリブル突破に挑戦する場面すら作らせてもらえなかった。
プレーから言えば特に印象に残らず時間だけが過ぎていった。


しかし家長昭博本人にとってはそんなことは関係なしに感動的だったに違いない。
キャンプが始まる前の大ケガ。そこからの長くて辛いリハビリ生活。この日のために虎視眈眈とリハビリに専念してきた。そんな男が喜びを噛み締めないわけがない。

試合後インタビューでも「僕は大分に来てすぐ手術をして、長いリハビリがあったので、夏以降に移籍してきた選手と同じ状況。モリシ(森島選手)とほとんど同期ですね(笑)」と笑い飛ばしてみせる。
プロサッカー選手として、1点ビハインドの状況で何も出来なかったことは失格だ。しかし家長昭博にとっては大きな大きな第一歩になったに違いない。


れからますます調子を上げなければならない。
そして完全復活してハツラツとピッチを駆ける家長昭博を、我々は待つことにしよう。


本当の復活を成し遂げたとき、今日の復帰試合が笑い話になるだろう。
そんな思いで家長昭博の完全復活を期待せずにはいられない。