50年間のクリスマスプレゼント
にっこり笑いながら近づいて来た彼女は
「ごめんなさいね,貴方の名前間違って覚えてたわ」
と自分の間違いを説明してくれた。
「良いですよ,何とでも呼んでくださって」
「あら,貴方もどう呼ばれても気にしないくち?」
言われて一瞬戸惑ったが
「私と同じで」とにっこり笑った表情を見て
「あっ、やっぱりこの人の名前は珍しい名なのかな」と思い、笑みを返した。
実際私だって人の名前などきちんと発音できてないことが多いのだから
オーストラリア人が私の名前を少々違えたって気にしない。

私がゴールドコーストから帰ってくる直前に
太極拳の新規募集体験デーがあった。
だから私が初めて彼女とご主人、品のいい初老のご夫妻を見かけたのは
お二人にとっては2回目の日だったのだろう。
ご主人の方は背が高いが
お二人とも杖をついていて
足下が危なっかしい。
正直大丈夫かなあと思った。
それからすぐ,ご主人のお父さんが99歳で他界された。
そのとき、ご主人の方の名前はノエルだと知った。
以前初めてノエルと言う名の方に自己紹介いただいた時
「ノー」と聞こえ、戸惑った。
英語には「無音のL」があるが無音でなくとも私には聞き取れないエルの音がある。
ジョエルもジョーとしか聞こえない。
それはともかく、そのときにクリスマスのといわれて
「ああノエルさんか」と学んだので今回はすぐにわかった。
しばらくして彼女とも言葉を交わすようになり
お互いにきちんと名前を紹介し合った。
「私の名前はトーイ」
心の中であんまり聞かない名前だなと思っていたら
彼女が続けた。
「あそこにいる主人はノエル。
だからね、私はクリスマスプレゼントなの。
50年間ね」
茶目っ気たっぷりに微笑む。
そのお茶目に笑いで答えながら
何となく圧倒された気分になる。
こんな風に幸せが伝わってくるなんて。

トーイさんは今でもプラスチックのスツールを持ってクラスに来るが
最初はそこに座って上半身の動きだけ追っていたのが
1ヶ月後の今は立って,皆と同様にしっかり動いている。
教室のみんなもお二人の様子に驚いている。
「本当にいい感じになって来ましたね。
正直言って最初と比べてずっと安定性があるし
びっくりですよ」
などと私も話しかける。
「ありがとう。
杖が必要なくなるようにと思ってるのよ」
それに頷きながらヘレンさんが
「本当に素晴らしいわ。
お二人そろって続けられてるのもいいことよね」
「ええ,私たちはいつも二人一緒に行動して来たの。
幸せなことだと思ってるわ」
それは本当に幸せなことだと
ちょっとうらやましさもこめて思うとともに
こういう方々を見ていると
年を取るのもこわくないなと思えて来る。
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「ごめんなさいね,貴方の名前間違って覚えてたわ」
と自分の間違いを説明してくれた。
「良いですよ,何とでも呼んでくださって」
「あら,貴方もどう呼ばれても気にしないくち?」
言われて一瞬戸惑ったが
「私と同じで」とにっこり笑った表情を見て
「あっ、やっぱりこの人の名前は珍しい名なのかな」と思い、笑みを返した。
実際私だって人の名前などきちんと発音できてないことが多いのだから
オーストラリア人が私の名前を少々違えたって気にしない。

私がゴールドコーストから帰ってくる直前に
太極拳の新規募集体験デーがあった。
だから私が初めて彼女とご主人、品のいい初老のご夫妻を見かけたのは
お二人にとっては2回目の日だったのだろう。
ご主人の方は背が高いが
お二人とも杖をついていて
足下が危なっかしい。
正直大丈夫かなあと思った。
それからすぐ,ご主人のお父さんが99歳で他界された。
そのとき、ご主人の方の名前はノエルだと知った。
以前初めてノエルと言う名の方に自己紹介いただいた時
「ノー」と聞こえ、戸惑った。
英語には「無音のL」があるが無音でなくとも私には聞き取れないエルの音がある。
ジョエルもジョーとしか聞こえない。
それはともかく、そのときにクリスマスのといわれて
「ああノエルさんか」と学んだので今回はすぐにわかった。
しばらくして彼女とも言葉を交わすようになり
お互いにきちんと名前を紹介し合った。
「私の名前はトーイ」
心の中であんまり聞かない名前だなと思っていたら
彼女が続けた。
「あそこにいる主人はノエル。
だからね、私はクリスマスプレゼントなの。
50年間ね」
茶目っ気たっぷりに微笑む。
そのお茶目に笑いで答えながら
何となく圧倒された気分になる。
こんな風に幸せが伝わってくるなんて。

トーイさんは今でもプラスチックのスツールを持ってクラスに来るが
最初はそこに座って上半身の動きだけ追っていたのが
1ヶ月後の今は立って,皆と同様にしっかり動いている。
教室のみんなもお二人の様子に驚いている。
「本当にいい感じになって来ましたね。
正直言って最初と比べてずっと安定性があるし
びっくりですよ」
などと私も話しかける。
「ありがとう。
杖が必要なくなるようにと思ってるのよ」
それに頷きながらヘレンさんが
「本当に素晴らしいわ。
お二人そろって続けられてるのもいいことよね」
「ええ,私たちはいつも二人一緒に行動して来たの。
幸せなことだと思ってるわ」
それは本当に幸せなことだと
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年を取るのもこわくないなと思えて来る。
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