じゃかるた新聞
Amebaでブログを始めよう!

コスに住んでみませんか?

kos
 ジャカルタの街を歩いていると、「トゥリマ・コス」という看板をよく目にする。「コス」は、地方出身の若いサラリーマンや学生、労働者らが住むアパート。大学、工場、オフィス街などに通うための職住接近の住まいとして若者を中心に利用されている。
 スマトラやスラウェシ島など外島や、中部、東部ジャワを故郷とする職業も様々な人たちが生活し、共有スペースに集まり、様々な地方言語で会話が交わされ、時には、親しくなった入居者が、誕生パーティなどを開いたりする人間味溢れた文化住宅とも言える。
 コスの家賃は一カ月五十万ルピアから、三百万ルピア以上までとホテル並みの所まで様々。もちろんサービスや条件もコスによって全く違う。そんな中で自分に合ったコスを探すにはどうすればいいのか。
 ひとまず「コスはありますか」と尋ね歩いてみる。親切な人がいろいろ案内してくれるが、気に入ったところはなかなか見つからないし、歩き疲れて途方に暮れてしまう。
 そこで、道端で客引きをするオジェックの運転手に「コスを探してる。どこかいいところはないか」と話してみると、辺りにいるオジェックの運転手たちが集まってきて「あの通りのコスがいい」「日本人がいるコスを知ってるよ」と口々にアドバイス。その街をよく知るオジェックの運転手は、コスが密集している通りも熟知しているのだ。
 「どんなコスがいい?」運転手に尋ねられて「できれば安いところ」と言うと、運転手はその通り「安い」ところを案内してくれる。
 月五十万ルピアでトイレは共同。シャワーはないので、汲んである水でマンディ、部屋には窓もエアコンもなくまるで監獄。
 「安い」という条件だけでは、何件回っても同じ。汲み取り式トイレ、ボロボロのベッド、埃で真っ白なテーブル…この先は期待はできないと諦めてオジェックを降りた。
 本当はホットシャワーがあって、きれいで、それでいて安いところがあればと期待していただけに、コスにそんなことを求めてはいけないのかとさえ思ってしまうほどだ。
 しかし、まてよ、もっと好条件の部屋があるかも、と考え、もう一度、通りを変え、「コスを探してる。きれいでホットシャワーがでるところがいいんだけど」と頼むと。オジェックの運転手は「そんなのはいくらでもある」と自信満々に案内してくれた。
 しかし、運転手のセンスが悪いのか、価値観が合わないのか、しっくりくるコスはなかなか見つからない。
 場所を変え、オジェックを変え、条件を増やし、最終的には「新しくて、きれいで、エアコンがあって、ホットシャワーが出て、安くて、安全で、バスウェイから近いとこ」と厚かましく条件をならべ、二つ三つなら当てはまるところがあるだろうと、半ばやけくそになって伝えてみた。
 すると、話のわかるオジェック運転手が見事にいいコスを案内してくれたのだ。
 妥協せずに回ったかいがあった。コス探しに大事なのは、センスのいいオジェックとの出会いと、厚かましいほどの条件を並べることなのかもしれない。
 お気に入りのコスを見つけたら、簡単な手続きをすませてその日のうちにでも入居可能。
 新参者はまずあいさつから。そして、入居者同士の心が通えば、親しくグラスを交わす機会も訪れる。