コロナ禍での海外駐在。

特にインドネシアのような新興国では医療面でも不安が多く、鬱々とした日々を過ごしております。

日本人でも昨年末以降感染者が増加して来ており、駐在員の方でも感染情報がちらほら当方の周辺でも聞こえて来ております。

コロナの場合、軽症または無症状のまま回復される方も多くいらっしゃるようですが、一部の方は重症化されたり、残念ながらお亡くなりになることもあるというのが一般的な認識かと思います。

それゆえ、その一部の人間に自分が該当するのでは無いかという不安は誰しもが思うわけでありますし、小生は仮にそうなった場合、見知らぬ当地で客死するよりは日本で死にたいと思うわけです。

ちなみに当地で死亡した場合、遺体はそのまま日本に空輸不可のため、火葬して輸送する必要があるわけです。本人もさぞ無念であるし、家族としてもどういう火葬施設でどのような手順で火葬されたかも分からない身内の灰を日本で待ち受けるというのも非常に非常に悲しいものがあると思います。

 

もちろん海外には疫病や風土病はつきものであり、海外に赴任する場合そういったリスクは承知の上、赴任しており、お手当や必要な医療処置(予防、治療、保険)が実施されているとの整理もあるでしょう。しかし、コロナはWHOもパンデミック認定している、いわゆるフォースマジュールに該当するような有事なわけです。

 

私は駐在員としてこの有事に対する評価、及びそれに伴う会社の駐在員に対する安全対策というのが非常に曖昧でお粗末と感じております。

少なくともなぜ会社はかような状況になった時点で駐在員に対して駐在継続の意思確認をしないのか、あるいは追加的なリスク(コロナ)にさらされていること、それに伴って死亡した場合の取り決めについて書面をかわさないのかすごくすごく不思議です(うちの会社だけかもしれませんが、、、)。(嫌味ですが、うちの会社の場合、投資や融資の社内審査は重箱の隅をつつくように慎重でちょっとの不安材料があれば、すぐに審議が止まります。金の支出にはすごく慎重です。その割に人的資本の海外配置には驚くほど寛容なようです。)

 

代わりにうちの会社の場合、インドネシアの拠点の長(現地法人の社長)に駐在員の安全管理は一任されており、彼の匙加減で日本への退避や当地への赴任再開が決定されます。それも組織としてはひとつの運用方法かと思われますが、究極的には生き死に関わる問題であり、日本の家族の不安も考慮すれば、本人の意思が一切ヒアリングされないのはすごくすごく不思議だと思います。

 

組織として考慮せねばならないのは、本人の意思も重要ですが、事業継続も考慮せねばなりません。その上では、日本に対比して業務が継続可能かどうかこれは駐在員によって様々でしょう。例えば、工場で品質管理などをなさっている方などは現場を離れることができないといった場合もあるでしょう。

その場合は、本人の同意を前提に駐在を継続する、或いは日本からの交代頻度を高めるといった運用も可能ではないでしょうか?

逆に当方の場合は、オフィスワークであり、管理部門に所属しているため、業務の大部分はインターネットとPCがあればどこからでも実施可能です。スタッフのとのコミュニケーションに関してもZoomやWhatsappなどを利用し、実施可能です。問題となるのは署名業務(内部統制上の確認業務、或いは契約書類への署名)ですが、まず内部統制については社内運用ですから、一時的な代替手続きを書面で取り決めておけば、問題無いでしょう(例えば、PDFにて書類を確認し、メール返信でReviewer⇄Preparer間の確認手続きを記録する)。対外的な書類への署名については、日本を拠点とする場合、DHLなどで対応するか、或いは複数の駐在員を有する場合は、一名を現地に残して、短期(3ヶ月程度)で交代するといった運用も考えられます。

とはいえ、最近は電子署名が世界的に主流になっております。

会社としてDocu signなどの電子署名システムを導入していれば、本当にウェットサインが必要なる書類はかなり限定されるのではないかと思います。

その意味では、本当にオンサイトで勤務が必要な業務は実はかなり限定的ともいえなくないです。特に駐在員はど担当者として赴任することはなく管理者として赴任することがほとんどだと思いますので、尚のことテレワークにてカバーしやすいのだと思います。

 

従い、もし我々の仕事がテレワークで対応可能、かつ本人はコロナリスクを彼の地で取りたくない、家族も不安に思っている、そしてこの点が非常に重要ですが、あと一年もすれば日本でワクチンを接種可能(つまり、安全対策が実施可能!)にも関わらず、多くの駐在員が引き続き会社判断で駐在を続けているのか非常に不思議です。

ロジカルに考えれば考えるほど、今のとりあえず駐在継続という運用は綻びが目立つように思います。

個人的には、ああこれがよくいうみんなで赤信号渡れば怖くないという心理なのかなと感じております(最後には神風が守ってくれる?)。

こうやって無理やり日本(身内)批判につなげてしまうのは悪い癖かもしれません。

実際、会社への不満をつらつら書きましたが、会社の関係者、特に人事総務関係の方々はコロナ対応で多くの問題に直面し、ご苦労されていると思います。また、業務に限らず、プライベートでも多くの方がまさにコロナ禍においてご苦労されていることと思います。どうしても自分が苦しいと不幸自慢になりがちですが、多くの方が等しくコロナ感染と対峙されていることを再認識し、私もコロナや自分自身と向き合っていきたいと思います。