坂本龍一教授の訃報…   

言葉が出ない・・・

 

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YMOのアルバム・ジャケット

写真家・鋤田氏代表作のひとつ

2018年7月7日拙ブログより

 

 

JR上野駅公園口を出たとたん、杜の上からカラスの鳴き声を浴びました。 ギンナンの実を踏みながら、藝大上野キャンパスの美術学部と音楽学部間を貫く都道452号線を通り、構内へ。 藝大美術館地下の画材店「画翠芸大店」 に寄った後、隣接の学生食堂を訪れました。

 

美術学部と音楽学部の学生が多く利用する学生食堂「大浦食堂」 (創業昭和12年)の名物店主、北澤悦雄さん69) としばらく雑談する時間が持てました。 

北澤さんは学生時代にお世話になった教室外の恩師。 絵画棟日本画教室で学べなかった、大切なことを教えていただきました。 

 

大浦食堂といえば、学生なのに皆から教授と呼ばれていた坂本龍一氏。音楽学部の授業時も大浦にいる常連でした。

わたしが入学してすぐ、大浦食堂で教授が高校生たちに囲まれ軽食をとっていたシーンが印象に残っています。憧れの人が目の前にいるということで少しショックでした。

 

前回、最後に大浦食堂に寄ったのは、2016年。 音楽学部右奥の学生食堂「キャッスル食堂」のマスターが亡くなられたので、お参りした帰りでした。 北澤さんに挨拶をしたかったのですが、厨房で忙しく調理をされていたので、その時は話が出来ませんでした。

 

 

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藝大学生食堂「大浦食堂」 

店主・北澤悦雄さん    

(2018/11/10)

 

 

名物、豆腐のバター焼き丼は健在です。木綿豆腐と、もやしを炒めて醤油で味付けしたご飯どんぶりです。わたしが学生の頃は、単品メニューでご飯は別でした。たしか200円台だったような・・・

 

「大浦」 メニューの一部
・バタ焼(バタ丼)みそ汁付き \480 13時から
・うどん・そば 月見きつね \280
・カツカレー \450 
・カレーライス \300
・みそ汁 \50
・しじみ汁 \80 
 
北澤さん、1113日(火曜)午後815分から、NHK総合テレビ番組「サラメシ」に出演されました。 番組内で、営業時間は8時半から17時半ですが、朝515分から厨房に入り仕込み。 営業時間が過ぎたその後も仕込みが続いている姿を映していました。 詳しくは同番組NHK総合テレビ「サラメシ」ホームページをご覧ください。シーズン8・21回放送分です。 

 

→ 「東京藝術大学の学食を50年にわたり切り盛りする店主夫婦を取材。 芸術を志す若者たちのおなかを満たすため、毎朝5時すぎから仕込みを始める店主。 その仕事を支えるランチとは?  

――番組紹介文から転載。

 

アクセス

JR山手線 上野駅(公園口)  下車徒歩約11分

東京メトロ 千代田線・根津駅 下車徒歩約10分 
東京メトロ 日比谷線・上野駅 下車徒歩約15分
 

谷根千散歩 のコースに加えてみてはいかがでしょう。

 

追記:

 

黒田記念館を横目に藝大へ。 重要な建築物と野外彫刻の宝庫です。

音楽学部正門すぐ左の赤レンガ1号館は、東京で最古の赤レンガの建物。

1880(明治13)年に建てられました。 外部はどなたでも見学できます。

 

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藝大学生食堂「キャッスル」 

マスター福本豊さんの祭壇

 

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お元気な頃の福本さん

 

「名物マスター福本さんは、今も受付にいらっしゃいました。閉店後の食堂で訊けた福本さんの話は愉快痛快。アトリエの外で学んだことが実に多かったんだなと思いました。」

 

今年の春、音楽学部で60年以上の歴史がある学食キャッスルの名物ご主人、福本さんが亡くなられたことを同窓会報で知りました。  一度お参りしたく、学食へ。

前回お会いした時は、お元気でしたのに・・・。

 

アップライトピアノがある学食で、坂本龍一“教授”がファンに囲まれていた光景や、尊敬する三木成夫先生のお話、そして福本さんの卒業生想い出話が懐かしい ・・・。

 

学食の手前、5号館の木立の中に、楽聖ベートーヴェン首像が建っていました。 台座には 

ARS LONGA  VITA BREVIS 」 と彫られたプレートが付いています。

アルス・ロンガ・ウィータ・ブレウィス 、「人生は短く、技術(医術、芸術)は長い」

古代ギリシャ時代の医師ヒッポクラテスの格言らしい。

 

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ベートーヴェン首像

 

旧奏楽堂前に建っていた頃の台座の方が、移転後の現在のものより雰囲気がありました。

 

 

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ショパン胸像

 

ベートーヴェン首像の横には、ショパン像が並んで建っています。 先の大戦で、同盟国のドイツ、イタリア以外の音楽家を理由に、軍から金属供出令が出されそうになり、音楽学校教官や生徒たちの反対で免れたことが語られ始めました。

金属不足の敗戦濃厚な時に溶かされなかったことは、奇蹟だと思います。 


そういえば、おとなり、美術学部の木立の中には、ロダンの「バルザック像」や「青銅時代」があります。ロダンの彫刻も、金属供出令にかかるのを美術学校の教官と生徒が猛反対したと、建築科の前野先生から伺いました。

・・・

キャンパス内には、「藤島武二」「安井曾太郎」「高村光雲」の胸像や、「岡倉天心座像」(原型・平櫛田中作)などののブロンズ像もあります。設置場所は、学生に聞いてください。

 

 

 

【関連拙ブログ】

 

 

 

藝大美術館大浦食堂とキャッスル東京滞在記6 (2013/12/04)から
東京滞在記 6 (藝大大学美術館) (ameblo.jp)

 

東京滞在記 国立西洋美術館からキャッスル、谷中へ (2016/08/22)
上野公園から谷中へ 2016・08 (ameblo.jp)