国民的人気漫画『サザエさん』 は、敗戦後の1946（昭和21）年、福岡の地方新聞『夕刊フクニチ』 の連載で始まりました。
時間を少し戻しましょう。
原作者の長谷川町子さん（1920-1992）、生まれは佐賀県小城おぎ郡の多久たく。少女時代に福岡市に移り住みます。 市内の高等女学校を2年まで暮し、一度東京へ転居。 東京の高校在学中に、『のらくろ』の田河水泡さんに弟子入りします。その間に、漫画家としてデビュー。 日本初の女性漫画家でした。
1944（昭和19）年、疎開で福岡に戻ります。 戦後の1946年に、『夕刊フクニチ』の『サザエさん』連載がスタートしますが、まもなく東京へ引越しのため、連載を打ち切ります。 この3年間を福岡の学生街、西新にしじん で生活。 『サザエさん』 、上京で再スタートするまでは、福岡を舞台にしていたということです。
自叙伝風漫画『サザエさんうちあけ話』 によると、長谷川さんが近所の百道ももち海岸を散歩中、サザエ、カツオ、ワカメなどの登場人物を発案したというエピソードが描かれています。 地元では、サザエさん誕生の地、発案の地として、関連行事等で歓迎しているところです。
2017年、長谷川町子さんの、『サザエさん』 スタート時に住んでいた家 （現在の福岡市早良さわら区西新2丁目内） から100m程の距離にある西南学院大学新図書館前に、「町子先生とサザエさん」 の銅像が設置されました。
「町子先生とサザエさん」 福岡市に寄贈：学校法人西南学院 ©長谷川町子美術館
西南学院大学図書館前 （早良区西新6丁目/ サザエさん通り※沿い）
元寇防塁げんこうぼうるい史跡から700ｍ、福岡市博物館から800ｍ、サザエさん発案の地記念碑から300ｍ、そして地下鉄「西新駅」から200ｍの場所にあります。
福岡市営地下鉄「西新駅」コンコース ©長谷川町子美術館
地下鉄「西新駅」コンコースの柱
単行本『サザエさん』第二十三巻の表紙です。
©長谷川町子美術館 （撮影：2018/11/09）
サザエさん通りの看板 英語、ハングル･･･ 中国語表記でサザエさんは？
サザエさん通り 左側が修猷館高校。その先に西南学院の新図書館。
サザエさんの銅像があります
※サザエさん通り――現在、修猷館高校とドン・キホーテがある脇山口交差点から、ももち海浜公園入口まで約1，6キロの通り。 東京の桜新町に、同じ名前の通りがありますね。
銅像の元となった、縮小版（エスキース）着色像が、福岡市早良さわら区役所１階に展示中です。 この縮小版、中央区平尾にある母校の高等女学校（現 県立福岡中央高校） にも寄贈されています。
作品製作者；中田耕治 ©長谷川町子美術館
『サザエさんうちあけ話』 初版 1979 長谷川町子 ©姉妹社
わたしの愛蔵書から
『サザエさんうちあけ話』の37ページに、西南学院中学部正門前に立つ長谷川さんと、酔ったアメリカ占領軍兵士たちが描かれています。英語が話せる中学部の先生宅へ案内するシーンです。 後述しますが、わたしもこの近所に5年ほど暮らしていました。 中学、高校の時です。
『サザエさんうちあけ話』 37ページに描かれている「西南学院中学部」の校舎が次の写真です。
実物のサザエは、高校時代に博多湾内で採取したもの。 ©姉妹社
長谷川さんの家のすぐ前にあった「西南学院中学部（旧本館）」。
現在は「西南学院大学博物館（ドージャー記念館）」 になっています。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計。
西南学院大学博物館 3階ギャラリーまで上がって下さい。福岡大空襲を免れた貴重な建物です。
1920（大正9）年、西南学院旧本館・講堂工事着工の定礎
煉瓦レンガ は地元の土を使用。 福岡で焼きました。
レンガの長い面と短い面を交互に積み上げるオランダ積みの工法です。
ハウステンボスの赤煉瓦建物と同じですね、
博物館案内パンフレット
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の
展覧会を昨日（13日）まで開催していました。
サザエさん通りの北側、磯野広場には、「サザエさん発案の地」の記念碑があります。 そこは、当時の百道ももちの海岸線にあたります。
1982年ごろから始まった埋め立て工事で、福岡タワーや福岡市博物館などが建ち、当時の面影は全く残っていません。 長谷川さんが散歩した海岸線は、わたしが中学校へ通っていた、“砂浜の通学路”でした。 （次回に続きます。）
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西南学院大学図書館建設現場でイエスを見ました
https://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/57518711.html
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