日曜日に福岡市美術館で開催中の「岡倉天心没後100年記念 日本美術院の歩み」を観てきました。
画学生の頃は神様だった速水御舟はやみぎょしゅうの作品を観て、響かない自分に驚きました。
ここ数日のパソコン白熱講習で頭が壊れたせいか、デジタル脳だと見えるものが見えなくなったのかもしれません。
意外や、学生当時はまあまあだった今村紫紅の作品が、大変気持ち良く楽しめました。時の流れでしょうか。
 
私のオススメは、横山大観の日本美術院・院歌を描いた掛け軸と創立者天心の著作本です。
会場入り口 “あいさつ文”を丁寧に読んでいる!?人たちの少し先に展示されています。
明治31年、日本美術院を谷中に創立。その時天心37歳、大観31歳!天心が詠み、大観が描いた書画を歌碑にしたものが聖地 
“やなか はつねちょう” の「天心記念公園」にあります。台東区谷中
丁目付近です。
 
私、天心公園のすぐ横に2年ほど下宿していました。
画友が遊びに来た時、酒を交わしながら大観が歌う院歌のレコードをかけたこともありました。
谷中を訪れるなら近くの区立朝倉彫塑館にも寄ってください。
とても静かないい空間です。
そうそう、谷中の住人朝倉文夫の彫刻「墓守」が福岡市美術館南側の出口隅に追いやられて立っています。
(モデルの背中が語っているのに、壁に寄せるなんて・・・)
谷中墓地にゆかりがある作品です。日本美術院とリンクして鑑賞してくださいね。
 
  谷中うぐいす初音の血に染む紅梅花 
  堂々男子は死んでもよい 
  奇骨侠骨開落栄枯は何のその 
  堂々男子は死んでもよい 
 
照明が暗かった美術館を出ると大濠公園の風が爽やかでした。
帰途、18歳の秋に東京上野のデパートで観た竹内栖鳳(せいほう)の猫、傑作「斑猫はんびょう」の“迫力”の前で息が止まりそうになったことや、2時間位その絵から離れられなかったことを想い出しました。

私が日本画に感動した最初の体験です。
 
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         by Jun-ichi Kinoshita