「そろそろエレベーターのリニューアル工事が必要だということで、
管理会社経由で数社から見積もりを取ったところ、安い社で1500万円でした。
それでも少し高いと思ったので、外部のコンサルに相談して、独自に見積もりをとったところ、
なんと900万円で済むことがわかったのです。
管理会社を信用していたのに、管理会社が提出した見積はいったい何だったのか!?
ひょっとしたら、裏で談合され、キックバック込みの見積だったのではないのか!?
今までの工事も余計な費用が水増しをされているのでは、という疑念は拭えません」
(関東の築32年のマンション理事の男性)
■「支払い先がいつも同じ」は要注意
物価高の折、工事費が高額化するのは仕方がない。
しかしその高い理由が、管理会社のキックバック分による“水増し”だとしたら──。
実は管理会社が事務手続きを代行した見積もりは、裏では“調整”され、工事業者から管理会社へ、各種手数料名目で事実上のキックバック(バックマージン)が発生しているケースが全国的に大問題となっている。
国交省はHP上で大規模修繕の際に発生するキックバックに警鐘を鳴らしているが、
住民のチェックの緩い日常的な小修繕工事や設備更新では、「ほぼ当たり前の商習慣となっている。
財閥系管理会社もキックバックはあるが、独立系管理会社はもっと露骨だ」と業界関係者は指摘する。
管理組合が直接見積もりを取ってきて関係ができた場合でも、
その次回以降の見積もりの窓口が管理会社になると、当たり前のように管理会社に紹介料を要求されることもあります。
時には『緊急性がある』と説明し、実施を押し切ろうとする場合もよくあります。
キックバックがあると、管理会社は修繕に対する必要性ではなく、売上のための提案が増えてしまう。
現場を見ると、管理会社が介在する工事の提案には必要性の低い工事も少なくありません。
理事会が相見積もりを他社から独自に取った見積もりを提示すると『こんなに安かったのか』と驚かれることは多い。
工事会社も売り上げが欲しく、必然的に“共犯関係”で営業色の強い内容になり、高額化してしまうというワケだ。
とても顧客目線に立っているとは思えません。
■キックバックが存在する“証拠”
管理組合が直接契約している各種保守費や点検費など日々の管理項目も、
管理会社は事務手続きを代行することで、裏では事実上のキックバックが発生しているケースも少なくない。
管理会社は『管理委託費』だけが、収益源ではないのです。
実際、公表されている管理会社の決算書をみると、売上総利益(粗利)が20〜25%程度と、
キックバックなどの収益源なしでは辻褄が合わない
■管理会社の工事斡旋「手数料」 は二重取り?
■不要な工事も承認してしまえば理事会の責任に
管理会社が作成を代行する理事会議事録をよく読んでください。
『理事会が工事の見積取得を管理会社に指示した』と記載されており、
管理会社は実質的に自ら提案した工事であっても、
あくまで理事会の指示によって事務手続きを代行しただけ、という形になっています。
理事会がその工事の必要性や費用の妥当性が判断できなくても、了承してしまったら最後、
それは理事会の責任になってしまうのです。
つまり、管理会社は、理事会を自社に依存状態にできれば、
責任を問われることなく利益をあげられるということです
面倒でも当事者である管理組合自ら発注業務をしないと、不適切取引と損失は防げない。
■管理会社のフロント社員は「営業マン」
本来、管理組合が直接、業者から見積もりを取れば、50万円で済むような工事を
『73万円の提示でしたが、端数はカットして70万にしてもらいました』と、
理事会議事録に記載し、わずかな値引きを理事会の手柄のように花を持たせるのです。
この程度ならかわいいもので最初に40%以上もマージンを上乗せして提示し、
理事会の意見を受けて10%値引きして理事会が頑張って値切ってるように見せかけて
実は管理会社が工事費の30%もマージンを取っている例もあるようです。
また、なかなか工事を承認してくれない理事会だと、
建物や設備の『診断』や『検査』を、やたらとやりたがる。
この費用自体は少額にするが、検査をすると大抵は異常値が出るものです。
そうなると、営業提案は格段に通りやすくなる。
(注)不安商法みたいなもの
しかも、検査する業者も管理会社の斡旋であったり、グループ会社であるケースも多い。
工事の実施判断を左右する、その検査結果が“忖度”されたものだったら、と疑いたくなります
■「後で大変なことになりますよ」
マンション管理の素人の集まりである管理組合と管理会社では、もともと大きな情報格差が存在する。
例え必要性の低い工事でも、「今やらないと後で大変なことになりますよ。
もし事故が起きれば理事会の責任ですよ」と不安をかき立てられれば、
不要な工事でも承認され、理事会がその発注責任を負う。
管理会社は工事をやらない心配はしても、積立金が減ってしまう心配は決してしないものだ。
管理会社はそのままでは修繕積立金が枯渇することわ事前に分かっていても決して騒がない。
積立金残高を計算せずに言われるがままに工事を発注している理事会に責任があるということになる。
管理会社は積立金がなくなってから積立金を臨時徴収する必要があると理事会に伝えればいいだけだ。
最近ではそれだけでなく管理組合に借金(借り入れ)させるような事態も多数あり問題になっている。
このようにして、修繕積立金が食い潰されてしまい、
そして「お金が足りないので積立金の値上げをしましょう」となるのがお決まりだ。
■管理会社は本当に「適切な会社」なのか
予算案も『予備費』が過大に計上されていたら怪しい。
単年度とはいえ緊急でない工事や設備のために予算が赤字にするなどありえない。
予備費は本来、想定外の出費に備えたものですが、毎年のように積立金の年間収入の3~4割以上が計上され、
それを使い切っていたら不要な工事が多いことが示唆されます。
また、これまで実施した工事や設備更新費の見積書などの費用の内訳を、
同業他社に問い合わせれば、適正価格が分かります。
そこで、それなりの差額があれば、管理会社が得ている“利ザヤ”なのかもしれません。
一方で、例えば大掛かりな工事でもないのに、『コア抜き』『運搬費』『撤去代』など一連の作業工程に検証しにくい値段がいちいち付いているのも作業量を多く見せかけて“水増し”費用に納得感を持たせようとしているかもしれない。
こういったことは、相場の確認を困難にさせるために、わざとやっている可能性が高く、こ
ういう見積もりを出す時点で怪しい。
また、工事内容だけでなく、仕様と施工範囲が明確か、設備更新も型番と数量が記載されているかは最低限、チェックすべきです。
予算計上の説明では、酷いと『防犯カメラ一式 200万円』など、用途と金額だけだったりして、
単価も分からず、これだと予算計上の根拠になりません。
つまり、工事予算の妥当性を検証する上で、元となる情報が記載されているかが重要なのです。ここを誤魔化しているように見えたらアウトです。
そんな工事費の無駄遣いのほか、日常の管理項目にも多額の無駄が潜み、コスパの合わない管理費として住民に負担を強いている。
どこの管理会社もキックバックはあるが、独立系管理会社は特に露骨。
キックバックがあると、管理会社は修繕に対する必要性ではなく、売上のための提案が増えてしまう。
管理会社の決算書をみるとキックバックが存在していることは明らか。
不要な工事も承認してしまえば理事会の責任
工事費も最初に高額の見積もりを出して理事会に値引き交渉させてあたかも理事会が頑張ってるよう演出するが、実は最初から計算ずみ。
管理会社はそのままでは修繕積立金が枯渇することわ事前に分かっていても決して騒がない。
積立金残高を計算せずに言われるがままに工事を発注している理事会に責任があるということになる。
最近では管理組合に借金(借り入れ)させるような事態も多数あり問題になっている
管理会社にキックバックの上乗せ利益を儲けさせるために管理組合が借金するようなものだ。
工事費だけでなく、日常の管理項目にも多額の無駄が潜んでいる。
(週間ゲンダイ「マンションクライシス」元記事)マンション管理会社に「騙されていた」と憔悴する男性…工事費に「“高額キックバック”分の上乗せ」が常態化していた!工事業者が暴露するヤバすぎる実態