■管理会社による「理事会支配」を容易にする輪番制の罠
7割のマンションでは理事会の役員選出方式は輪番制が採用されています。
表向きには公平性の担保や悪徳理事の続投を防ぎやすくすることです。
しかし、輪番制は理事会の知見の蓄積や、専門性を有していてやる気や問題意識のある人の排除にも繋がる。
最悪なのは、無関心でやる気のない人にも無理強いしてしまう制度ともいえ、
これがチェックの甘い放漫経営の体制になりやすい。
輪番制で選ばれたマンション管理に無関心な『イエスマン理事』ばかりという事態になりかねない。
やる気のある理事が数人いても、理事会に関心がなく早く会議を終わらせたいイエスマン理事に多数決で負けて
管理会社の提案通りに事が運んでしまう。
結果、管理会社に言われるがまま、不必要で割高な工事をしてしまい、
管理組合にとっては莫大な経済的損失となります。そして積立金の値上げにも繋がってしまうのです。
工事がやたら高額であることに気付いて調べ出した時には任期切れ、というわけです
■キックバックの実態
■管理会社が住民同士の情報共有を嫌うワケ
管理会社の方針ではなく、
別角度からの意見や情報、合理的な知見を共有する機会が全く用意されていないことは、やはり問題。
理事会では、管理会社の社員に退席してもらって、理事だけで議論する時間を設けるように推奨される。
そこでフロント社員の前では言いにくい管理会社自体の評価や、
出てきた見積もり価格の妥当性などを検証する機会を作ることが必要なのです
■工事営業を独占するための手法
■管理会社の影響力を排除するのはなんといってもITの活用が有効
管理会社社員の入らないLINEグループやネット掲示板を作って理事会や意見のある有志の組合員とある程度の知見を共有できれば、不必要な工事や割高な事業の提案は防げます。
または理事会宛てのフリーメールアドレスを作って、
そのアドレスは毎月の議事録や掲示板に掲示し、意見箱として活用できるようにする。
その管理は面倒でも、理事や管理組合など『住民側』の誰かが『直接』やることです。
特定の人物が情報を独占するのは好ましくないので、転送設定などを利用し、できれば複数の人が共有できる状態が望ましいでしょう。
また、理事会の決め事やルールなどもクラウド上にアップしておき、
QRコードなどで住民が閲覧できるようにしておけば、理事会メンバーが変わってもある程度、運営の継続性を担保できます。
こうすることで理事会に知識と経験が蓄積されていき、いつまで経っても知識ゼロの輪番制理事から脱却できるようになります。
管理会社は住人からお金をもらうことが仕事なのです。
自分達の資産は自分達で守るしかありません。
■管理会社を「経由」させない情報共有の重要性
ITなどを使った管理組合主体での直接の情報交換の仕組みは、管理会社にとっては工事などの営業活動に横槍が入る可能性があって不都合なので本当に嫌がります。
個人情報や管理体制の問題を持ち出して必死に抵抗するでしょうが、情報共有の重要性を認識していれば、どちらを優先すべきか明らかです。
ネットを通じて住民からより多くの情報や意見を集めることで、
不要な工事はしなくていいというもう片方の情報も理事会に伝わりやすくなる。
それが無駄遣いを避ける手段にもなるのだ。
輪番制で選ばれたマンション管理に無関心な『イエスマン理事』が多いと
やる気のある理事の意見も多数決で潰されてしまう。
イエスマン理事は管理会社に言われるがまま、不必要で割高な工事をしてしまい、
管理組合にとっては莫大な経済的損失を与え、それが積立金の値上げにも繋がってしまう。
ITも利用し管理会社を介入させない管理組合員だけの情報共有の場を作り
理事会や意見のある有志の組合員とある程度の知見を共有して、
不必要な工事や割高な事業の提案は防げるようにすることが大切。
またそこで輪番で理事になっても困らないよう理事会の知識と経験を共有できるようにしておく。
そうすることで議事録だけに頼らない透明性のある管理が確保できます。
理屈に合わない、割高な管理会社の提案も、合理的に断ることができる場を作りましょう。