設計コンサルを普通に選べば、談合の被害が“既定路線”に

管理組合は設計コンサル会社に対する評価軸の知識がないため、管理組合内の多数決になると、自ずと価格と実績で選定することになります。

となると、キックバックを多くもらう設計コンサルのほうが価格競争力を有しているので、結果、受注実績を稼ぐことができます

つまり、不適切な設計会社ほど採用されやすい、という構造的な問題がある

 

管理組合が独自で業者選定をすべき理由

設計コンサルの委託業務から「工事会社の選定補助業務」を除外し、管理組合主導で決めていくことも重要
多少面倒でも業者選定だけは、管理組合が直接行うこと
知り得ないところで、談合など不正行為が仕組まれていると思った方がリスクを避けられます。
 
業者選定をする際の注意点は情報の取り扱いです。
見積もり先の工事会社の名前や価格などの情報は、できる限り管理組合の選定担当者以外には知られないようにすべきで、工事会社との見積もり時の手続きや、やり取りすら、設計コンサルや管理会社に任せるのはNGです。
 

『見積金額が相場よりも大きく上回っている』

『見積金額が修繕積立金残高とほぼ同額である』

『工事会社による見積参加の辞退や見積途中での辞退が複数ある』

『高額な工事にも関わらず施工会社のやる気が感じられない』

などの不審な行為がある際は、

選定をやり直すか、もしくは手元の見積もりをベースに他ルートで見積もりを取ることも手段の一つです。

手間ですが、それだけで総額で数千万円程度、戸あたりで数十万円のコストダウンが実現するケースもあります

 

前回の修繕実績と比べて物価上昇率以上に高額であったり、

一般的な工事スペックで戸あたり税込み130万円を超える見積もりが出るようだと、疑ってみた方がいい

工事業者の『施工範囲や施工内容が違う』といった説明を鵜呑みにしてはいけません

 

外壁修繕の場合では、見積もり時に足場がないため、高所の劣化状況や修繕が必要な数量が不明です。

そこで、見積もり時は『仮数量』で見積もります

この際、安く見せるため、仮数量は少なくし、その単価は高く見積もるのです。

そして、契約後の『実数清算』では、想定以上の金額を請求される恐れがあるのです

以上、みてきたように、大規模修繕の工事費は、業者選定や見積もりをうまくとらず、

修善事業者に丸投げ状態だと、途端に高くなってしまう

 

管理会社提案による談合など不正行為からの被害を避けるためには

面倒でも業者選定だけは、管理組合が直接行うことが必要。

業者選定をする際は

見積もり先の工事会社の名前や価格などの情報は、できる限り管理組合の選定担当者以外には知られないようにすべきで、

工事会社との見積もり時の手続きや、やり取りすら、設計コンサルや管理会社に任せるのはNG

戸あたり税込み130万円を超える見積もりが出るようだと、疑ってみた方がいい談合を疑ってみる。

 

 

 

 

(週間ゲンダイ「マンションクライシス」元記事)管理組合が独自で業者選定をすべき理由