私が中学生の頃、中村雅俊氏主演の学園ドラマが人気を博していた。
そのドラマの中で、海岸で度々先生や生徒が様々なドラマを演じるシーンが放映されていた。
今回はそのドラマで使われたロケ地を訪問した。
私が初めてここを訪れたのは高校生の頃だった。
学校帰りにクラスメートに連れて来てもらい、感動したことを覚えている。
その後も学校帰りに数回、友人たちとそこを訪れては、あの学園ドラマのように皆で遊んだり、話込んだりとその時々を楽しんでいた。
高校卒業後、大学生の頃に1回訪れた記憶はあるが、その後ここを訪れる事は無かった。
「また行きたい」
という気持ちは常に心のどこかにあったものの、いつでも行ける所はなかなか行かないものである。
そうこうしている内に30年以上の歳月が流れてしまった。
今回はJR二宮駅から徒歩でここに向かった。
国道1号線を平塚方面に向かって歩き、左手に六所神社の鳥居が見える所で国道を離れて海岸に向かう。
葛川を渡り、大磯プリンスのテニスコートとゴルフコースの間を通り、西湘バイパスの下を抜けると海岸線に出ることができる。
昔はここからでも江ノ島方面が良く見えたが、今は西湘バイパスを高波から守るテトラポットがたくさん積まれてしまっていた。
しばらく海岸を歩き、大磯プリンスホテルを左手に見るをあたりまで来ると、テトラポットが無くなり眺望が良くなる。
後ろを振り返れば、箱根山や伊豆半島が良く見える。
この風景は今も昔も変わらない。
そのまま歩き続ければ葛川の河口であるが、ここが今回の目的地である。
少々石が増えたように感じるが、昔テレビのシーンで観た景色が蘇る。
ここで西湘バイパス側を見るとこのような風景が広がっている。
友人に初めて連れて来てもらった時は、このトンネルの向こう側に自転車を置いてトンネルをくぐってここに来た。
最初は、なにか見覚えのある海岸線が目の前に広がっていたが、ここがどこなのかさっぱりわからなかった。
「後ろを振り返って見てみろ!」
と友人に言われて目に入ったものがこのトンネルで、やっとここが何処なのか理解できた。
「あのドラマの場所じゃないか!」
最初に書いたように、感動とともに驚いた。
ここでロケをしていたのかと。
あの頃と何も変わっていないような気がする。
今回ここを訪れて最も感じたことは、ドラマのシーンよりも楽しかった高校時代の友人たちとの時間の記憶だった。
私は今現在が自分の人生の中で最も幸せな時間だと思っている。
でも、
もしタイムマシンがあり一番戻りたい時間と場所に戻してあげると言われれば、高校時代に友人達と時間を過ごしたここを選ぶだろう。
いつでも来れる所はなかなか行かない私ではあるが、近いうちにまた来たいと思う。