米州開発銀行年次総会から見えるもの | jkl-furukawaのカレイドスコープ

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アジアインフラ投資銀行の話題でもちきりですが、米州開発銀行と言うのをご存知ですか?

これは、アメリカ主導で行う開発銀行はお分かりのとおりですね。

ここで、今回の総会にての演説で、ラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域にも力を入れる事を述べています。

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第56回米州開発銀行・第30回米州投資公社年次総会 日本国総務演説
(平成27年(2015年)3月28日(土)於:韓国 釜山)


 議長、総裁、各国総務各位、ならびにご列席の皆様、

 第56 回米州開発銀行(IDB)、第30回米州投資公社(IIC)年次総会にあたり、日本政府を代表して、ご挨拶申し上げることを光栄に思います。また、IDBグループへの加盟10周年という意義深い年にホスト国を務める韓国政府、そして釜山広域市の皆様の暖かい歓迎に感謝申し上げます。

日本とラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域との関係
 ラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域は、約6億の人口と約6兆ドルの市場を擁し、世界経済における成長センターの一翼を担っています。こうしたLAC地域において日本はアジア最大の投資国であり、また、LAC地域は日系人としては180万人と最も多く暮らしている地域であるなど…(続き→http://www.mof.go.jp/international_policy/mdbs/idb/2015st...
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ここでホンジュラスと言う国が、円借款での援助を行うことが触れられています。

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ホンジュラス共和国向け円借款契約の調印

-水力発電所の改修により、経済成長及び気候変動の緩和に寄与- 2015年3月26日

国際協力機構(JICA)は、3月26日、第55回米州開発銀行(IDB)年次総会が開催されている大韓民国の釜山にて、ホンジュラス共和国政府との間で「カニャベラル及びリオ・リンド水力発電増強事業」を対象として160億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。対ホンジュラス共和国向け円借款は、1990年以来、約25年ぶりの供与と…(続き→http://www.jica.go.jp/press/2014/20150326_01.html

カニャベラル及びリオ・リンド水力発電増強事業
借款金額 160億円
金利 0.3%
償還期間(年)40年
据置期間(年)10年
調達条件 一般アンタイド
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その上で以下のニュースを見てみよう。


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<本日の中国TOPニュース>中国、中米にパナマ運河しのぐ運河を建設へ!他にも続々と巨額投資を計画 配信日時:2012年11月7日 14時21分
http://www.recordchina.co.jp/a66209.html

2012年11月2日、香港の日刊オンライン新聞アジア・タイムズ・オンラインは、中米・カリブ諸国のインフラ建設に積極的な投資をする中国の現状について論じた。国際通信社インタープレスサービスなどに寄稿する南米のジャーナリストの取材を通じ、「中国は中米にパナマ運河を超える規模の運河を建設する」としている。中国・環球時報の7日付の報道。
(中略)
ホンジュラスでは、中国国営企業が、3.5億ドルを投じてパトゥカ第3水力発電所を建設した。同国のポルフィリオ・ロボ大統領はエネルギーや通信関連でさらなる中国の投資を呼ぶべく、今年9月に中国国家開発銀行の総裁と会談している。その他サルバドール、コスタリカ、グアテマラなどで太陽エネルギー、石油、通信関連の開発プロジェクトが続々と立ち上がっている。
しかし、これら中米諸国と中国間では貿易の大幅な不均衡が続いている。中米諸国の主要輸出品は果物や大豆などの農産品であるが、中国とは距離的な問題によって、鮮度保存や輸送に高いコストがつく。そのうえ、関税や検疫制度が未整備であり、中米諸国にとって対中貿易赤字は当面は解決の望めない問題だ。2012年1~5月の統計では、中米5カ国(ニカラグア、サルバドール、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス)の対中輸出額は2.2億ドルであるのに対し、輸入額は14.4億ドルにのぼっている。文化的な差異などの要因も加わって、中米諸国が最も緊密な関係を築けるのは米国という現状は変わらないだろう。(翻訳・編集/愛玉)
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既に水力発電を中心としたインフラ案件を中国国営企業が展開しているニュースが2012年に報じられている。

その中でホンジュラス共和国の一般アンタイドの円借款で水力発電を行う企業はどこの国の企業なのか?

なんとなく見えてくるものがありますね。

さらに、ラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域に進出する中国企業が多数あります。
メキシコやブラジルにも中国企業が進出しているのが良くわかると思います。


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メキシコの高速鉄道建設、再び中国企業が落札か=日本は発電所、深海油田開発が有望―駐メキシコ大使が記者会見 2015年3月4日 8時39分

015年3月3日、山田彰・駐メキシコ大使は日本記者クラブで記者会見し、このほどメキシコ政府が高速鉄道プロジェクトを無期延期する方針を示したことについて、いずれ動き出し、再び中国の企業グループが落札するとの見通しを明らかにした。

同事業は中国企業がいったん落札した後、メキシコ政府が「透明性を確保するため」として発注を突然取り消した経緯がある。この事業にはこの中国企業1社だけが応札。同大使によると、落札した中国企業コンソーシアムに参加しているメキシコ企業が、大統領夫人が建てた邸宅用資金を供与したとの疑惑が浮上したため、透…(続き→http://www.recordchina.co.jp/a103500.html
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中国系企業がブラジル風力発電資産の取得で交渉-関係者 2015/03/25 08:57 JST

(ブルームバーグ):中国広核美亜電力 がブラジルの風力発電施設を最大20億レアル(約760億円)で取得する方向で交渉していると、事情を直接知る関係者が明らかにした。実現した場合、中国系の…(続き→http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLQMNE6KLVR801.html
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カリブ地域を含めた再生可能エネルギー等のプロジェクトは2012年に始まっています。
今後COREと言う流れが2012年から始まっていて、当然中国企業はその先回りを行っている形跡があります。

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CORE(Cofinancing for Renewable Energy and Energy Efficiency)は、2012年3月に中米・カリブ地域の再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野の案件に対し、当初、JICAが5年間で3億ドルを上限として低所得国以上中進国以下の米州開発銀行加盟国に対し、米州開発銀行との協調融資のための円借款を供与するとしたものです。2014年3月、協調融資の目標額が10億ドルに引き上げられるとともに、対象国もカリブ地域の米州開発銀行非加盟国、カリブ開発銀行、卒業移行国も含める形に拡大されました。
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昨年のカリブ共同体もその布石だったのでしょう。ODA卒業国の見直しを今回のODA太閤に含めたのは、以下のとおり。

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カリブ共同体14カ国と安保理改革で連携強化 ODA「卒業国」への支援継続 日カリコム外相会合声明 2014.11.15 12:34

岸田文雄外相は15日、カリブ共同体(カリコム)を構成する14カ国との外相会合を外務省で開き、日本政府による政府開発援助(ODA)の対象から「卒業」したバハマなど4カ国にも支援を続けることや、国連創設70周年を迎える来年をひかえ、安全保障理事会改革を実現すべく連携強化する方針などを盛り込んだ共同声明…(続き→http://www.sankei.com/politics/news/141115/plt1411150022-...
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つまり、今回の米州開発銀行と重要な課題(CORE)で国際貢献をおこなっていこうという訳。
しかし、その先に中国企業が待ち受けている。一般アンタイドで良いのであろうか。

さて、その融資先で前述のメキシコとブラジルのニュースと重ねあわせてみよう。


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米州開発銀行とは?

沿革
米州開発銀行(IDB)は、中南米・カリブ(LAC)加盟諸国の経済・社会発展に貢献することを目的として、1959年に設立された国際開発金融機関です。日本は1976年に加盟。現在、米州地域から28か国(26のLAC諸国と米国およびカナダ)に加え、アジア(日本、韓国、中国)を含む域外からの20か国が加盟し、48か国で構成されています。
また、IDBの活動を補完し、LAC諸国の民間中小企業に対する投融資を通じて域内経済の発展に寄与することを目的に、1986年に米州投資公社(IIC)が設立されました。1993年には、民間投資を促進するため技術支援や零細・中小企業育成等を行う多数国間投資基金(MIF)が設立さ…(続き→https://www.mof.go.jp/international_policy/publication/md...

出資割合
アメリカ:30%
アルゼンチン:10.8%
ブラジル:10.8%
メキシコ:6.9%
ベネズエラ:5.8%
日本:5%

融資国別
ブラジル:20.1%
メキシコ:15.2%
アルゼンチン:13.9%
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つまり、融資国の第1、2位の国に中国企業が進出している形跡を見なくては行けないと思います。

もし戦略的と言うのならアンタイドを一刻も早く全てにおいてやめる事だ。