前回書きました、階段などに安心な、バッテリー内蔵の照明器具。業界では、防災照明といって消防法や建築基準法で、使用する場所や光量など規定がありますが、戸建て一般家庭には規定がありませんので、器具はネット通販や、ネットオークションやフリマサイトなどで入手可能です。
(注:中古品や、新品でも年数たったものは重要なバッテリーが劣化している恐れがあり、おすすめしません。)
交換や新設では、電気工事士の資格が要ります。新築やリフォームの際、こうした器具を考慮した電気配線が必要です。
一般の照明器具は、スイッチでオン・オフするだけなのでスイッチを経由した2本線で良いのですが、防災照明は、停電時に備え常時バッテリーに充電するため、常用照明のスイッチとは別に、常時通電する線を追加する必要があります。
これは、我が家の防災照明への配線ですが、三本線になっています。(緑色はアース線)
黒:常時通電のL(非接地側)バッテリー充電用
赤:スイッチ経由のL(非接地側)常用照明用
白:接地側N
緑:アース(一部の照明器具では必要なことも)
あの東日本大震災の時、停電の怖さを経験し応急耐震補強工事を施工した際、電気工事の人が、将来に備え階段は3線式で配線してくださり、当時は普通の照明だったので黒線は長らく絶縁処理して丸められていましたが、数年後にまずは上り口を防災照明にしました。
上述の法により、設置が義務づけられた公共施設などでは、専用回路など細かく規定されていますが、家庭の停電対策なら、普通の照明回路に、常時通電の一本を追加するだけで良いと思います。
既築の家でも、天井裏にアクセスできれば、階段灯への配線を換えれば(常時通電の1本を追加)、防災照明へのリニューアルは可能です。
追記
なぜ、一般家庭に業務用?の防災照明を付けたか?懐中電灯でいいのでは?と思われますが、東日本大震災の、発災直後の停電、後の「計画停電」よる停電、何度かある落雷による停電を経験し、突然の真っ暗では懐中電灯を探すのも大変ですし、特に階段昇降中の停電は危険だったからです。また、最近家庭用照明器具(リビングのシーリングライト)にも「ホタルック」「保安灯」機能があるものもありますが、それらは光量、点灯時間とも十分ではなく、震災で部屋中ガラスなど散乱状態では、二次災害も懸念されるからです。
既存の住宅でも、後付けできるコンセント接続のもの(常時は消えていて、停電時のみ点灯。例:パナソニックNNFB01000J)もあり、これなら手軽に設置可能です。