衛生陶器・材質が3種類あった頃 | PBX5 Bldg.

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少し昔の陶器製洗面台や便器などに、JIS(JISマーク)Vという焼印がありました。

幼少の頃から、この"JIS V"とは何なのか?気になっていました。

これは、我が家の洗面台に焼印されているJIS Vです。

 

その後、乃木坂のTOTOで資料を調べましたらJIS A5207衛生陶器が制定された際、陶器の材質を3種類定めていました。

V:溶化素地

A:化粧素地

E:硬質陶器

JIS Vは溶化素地という意味だったのです。

溶化素地は、文字通り陶器を溶化させるため、昔は大きなものでは焼くときに形状の保持が難しく、ストールという大型小便器やバスタブなどでは、耐火粘土で形状を保持しその上に、薄い溶化素地で仕上げていて、それが化粧素地でした。

これは、1990年頃東京タワーにあったストールですが、東洋陶器のロゴ下にJIS Aと記されていました。余談ですが、これと同型のストールは旧国立競技場の地下(女性用小便器で有名になりました)にもありました。

 

一方、硬質陶器のJIS Eですが、私は実際に"JIS E"と焼印された製品は見たことがありませんが、上記2種より低価格で生産できたため、一般家庭用に各衛陶メーカーが出荷していたようです。東洋陶器でも、Pシリーズとして硬質陶器の器具を生産していた時期があり、ロゴに5重丸を付けることで区別していたそうです。

 

その後、生産技術の進歩でストールなども溶化素地で製造できるようになり、一般にも普及するようになり、超大型で化粧素地でした陶製バスタブも製造されなくなった近年では、衛生陶器は溶化素地になったことで、この3種類の区分がなくなったようです。