ドアクローザ8 | PBX5 Bldg.

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「ドアクローザ」シリーズ(前回http://ameblo.jp/jkic21/entry-11095735779.html )の続きです。


クラウン社製の可愛らしいドアクローザを買い求めて数年後、お店から電話がありました。「お客さんが欲しがっていた、昔のダルマ、交換して廃棄するのが出たので来て!」

もう諦めかけていましたので、突然の電話に驚きました。そしてお店に行くと、どこかから取り外してきた、ディズニーランドで見たのと同じ形のドアクローザが床に置いてありました。お店の人は、「これは油が漏れちゃって使い物にはならない。資料としてならあげるから持ってって!」私はお店の人に何度もお礼をして、古びたドアクローザを持ち帰りました。大変重くて、腕が痛くなったことを覚えています。


そして、油にまみれ塗装が剥げ落ちたドアクローザを見て、何十年間も、人々の安全と快適のためにがんばってきたんだと話しかけ、油や塗膜を落とし、ホームセンターで塗料など買い求め、かつての姿に戻しました。


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"NEW STAR"(日本ドアーチェック製造)製のダルマ(凸)型ドアクローザです。外国映画で見て気になっていたのと、ディズニーランドで見たものと同じ形状でした。


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前面の銘板プレートだけでなく、上部の蓋?にも会社名が刻印されています。また、現在のドアクローザとは異なり、軸が2軸式になっていて、内蔵スプリングの軸と、油圧ダンパーの軸と分かれています。スプリングの軸にはワッシャーがあり、いくつかの切れ込みがあって、現場やドアに合わせてある程度スプリングの力が選べるようになっていました。油圧ダンパーの軸はねじが切ってあり、アームに直結されています。


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クラウン社のものと同じく、速度調整は手回しつまみによるものです。おそらく、当時は油の粘性が温度により変化し、夏と冬とでは閉扉速度に違いが出ていたため、ユーザーが工具なしで調整できるよう工夫されていたものと思われます。


昔から横長四角形に慣れていたためか、懐かしさは感じずとても新鮮で斬新なデザインと思いました。その後、関心を持つことになった「近代建築」などで、このドアクローザと再会することになります。

(続く)