以前、十字型の水栓(蛇口)ハンドルの記事(http://ameblo.jp/jkic21/entry-10767158345.html )を書きましたが、このような銀色にクロームメッキされた水栓はかつて高級品で、デパートなどの公共施設で使われていました。その当時(昭和30~40年代)の一般家庭には、メッキのない、真鍮の水栓が多く使われていました。(文中では真鍮ですが、水道屋さんによっては砲金と呼ぶかたもいます)
これは、幼少の頃川崎に住んでいた時の自宅に付いていた水栓です。改修時、水道屋さんからいただいたものです。当時は真っ黒でしたが、磨いてみましたら少し光沢がよみがえりました。周りがどんどん三角ハンドルのメッキ品に変わっていき、慣れ親しんだこの一文字は消滅してしまう!という子供心で、頼んでいただきましたが、水道屋さんが「こんな古いの、価値ないよ~」と笑いながら渡してくれました。
パッキングを取り替えるときの様子です。コマなどは新品に交換してあります。現在は、ハンドル真下の六角キャップを外しますが、この当時は根本の四角の部分にスパナを当てて外しました。メッキの高級品と異なり、吐水口に整流金具などありませんから、水はねが強くて「ジャー」という音も大きかった思い出があります。
その後、ある大きな設備機器の問屋さんで、この水栓のことを伺ったのですが、
・当時は「市型」「都型」「建設省型」など、さまざまな規格が存在していた。
・高架水槽(ビルなど)では水栓は輸入品を含め自由に選べたが、家庭など公営水道管直結では、その水道事業者指定の水栓しか使えなかった。
・この真鍮一文字は直結給水の一戸建てやアパートなどで多用されていた。デパートや洋館ではメッキ品だった。
・構造で「A型水栓」「B型水栓」「米国式」「英国式」などがあった。
といったことを教えていただきましたが、この水栓がどれに属するのかは結局わかりませんでした。
今はシングルレバーやセンサー水栓などが多くなり、「蛇口」なる一般水栓も少なくなってきていますが、停電に強く、操作も単純明快な「蛇口」。その姿が消えたとしても、私の幼少期お世話になったものです。感謝と継承の気持ち、大切にしていきたいと思います。