(http://ameblo.jp/jkic21/entry-10846331158.html の続きです)
旧き良き消火設備をみたあと、建物を見上げてみました。
各階の床面下に、小さな空間があるような独特な外観でした。昭和37年の竣工以来、外観の大規模な改装は行われず、ほぼオリジナルの状態が今日まで維持できたことに、確かな設計が伝わってきました。避難用と思われるバルコニーには、丸い穴のあいたパンチング・パネルもありました。
床下の小さな空間には、ガラスブロックがはめ込まれていました。タイルの色と相まって、シックで落ち着いた印象で、かつ採光という実用性も兼ね備えていたようです。
そして、視線を横に移しましたら、解体され消え去るという現実がありました。
来月から、今日で閉館した隣のホテルとともにパネルで覆われ、ここから搬出されることになりそうです。
私はもう一度上を見上げてから、建物に一礼したあと、駅へ入ろうとしました。
工事ゲートの左、ホテル側に目立たないようにひっそりと扉がありました。最後に出られたスタッフの方々が浮かんできました。
駅に入ると、二度と開くことのないシャッターがありました。私はシャッターに手を添えながら、ありがとう。みんなの心にいつまでも建ち続けていることを願い、最後にもう一度お礼をして、帰りのホームへと向かいました。
(おわり)
