子供の頃「新しい物好き」で、家電や文具の新製品や、鉄道の新型車両が出るとワクワクして、街に新名所ができると親におねだりして連れて行ってもらいました。池袋のサンシャイン60も、OPEN直後に並んで展望台まで上がったりもしていました。その前から新宿に聳え立っていた超高層ビル群が、先進的で都会的というか、かっこいいと思っていました。逆に古いものはイヤで、学校のクラス替えで旧校舎に当たってしまうと凹んで、新校舎の友達が羨ましかったです。
1980年代(88~89頃)のある日、新橋駅で地下鉄からの出口を間違えてしまい、いつもと反対側に出てしまいました。間違えちゃった!と少し苛立ちました。次の約束があるためあわてて引き返そうと横を見ましたら、この光景が目に飛び込んできました。
新橋にあった蔵前工業会館です。初めて、意識して眺
め続け、そして撮影した近代建築でした。
西日に照らされた古そうなビル。うまく表現ができませんが、「美しい-」と「素晴らしい」などさまざまな感動が混ざったような状態で、身体が固まってしまったのです。何とか通行人の邪魔にならない場所に移動して、しばらく眺め続けました。今まで、街にある古い建物を「ボロいな」程度で気にかけなかったのに、これほどまでに感動している自分が不思議でした。
そして、新商品の撮影で偶然持っていたカメラを取り出し、ビルにカメラを向けて最後の1コマで撮影しました。縁のない、しかも古い建物を意識して撮ったのは、初めてでした。時間がなかったので近づけず乗り換えました。帰宅して東京の地図でを見ると「蔵前工業会館」とありましたが、ネットもない時代。何の会館なのかわかりませんでした。(続く)