公共施設の「水飲器」というと、スタンド型のペダルを踏むと冷却された冷たい水がでるものを連想すると思います。デパートなどでは壁に埋め込まれたステンレス製のもありますが、ほとんどは、内部に冷蔵庫のような冷却器があって、電気で水を冷やして一定量タンクに蓄えられています。器具内蔵タンクには限度がありますので夏場、多くの人が連続して使い、生ぬるい水でうんざりされたかたも多いのではないでしょうか。
かつて、建物にあった水飲器は、大理石などで特注した歴史的建造物など例外はありましたが、ほとんどは衛生陶器会社が製造した既製品でした。
TOTO製陶製水飲器の最終の形です。以前は楕円型
や三角形などいろいろな形がありました。
多くは階段の踊り場やトイレの入り口脇などに設置されていました。皆さんも、かつてどこかでご覧になったことがあるかと思います。
百貨店や設備の整ったオフィスビルでは、地下などの機械室にこの水飲み専用の冷却器と浄化装置、貯水タンク、循環ポンプと専用配管があって、常に清潔で冷たい水が供給されていました。東京・日本橋の高島屋では「魔法の水」と言われ、火災と社長で有名になってしまった某ホテルでも、かつてはこのシステムが取り入れられ、各客室に冷水専用のコックが装備されていました。
しかし、常に冷却器とポンプを稼働させていることから維持や保守に手間と費用がかかり、清涼飲料や自販機で手軽にのどを潤すことができるようになり、水道水も水源の悪化やカルキの増加で不味くなってしまったことから、この水飲器は冷却装置を休止、または撤去し水道管直結にしてしまったり、撤去されてしまいました。某ホテルでも火災発生時には撤去済みでした。写真の陶製水飲器は、先日閉店・解体された百貨店のものでしたが、水は生ぬるくカルキ臭かったです。
この陶製水飲器に代わり、現在では電機メーカーの「ウォータークーラー」が、公共施設で活躍しています。