健康を実現することは、元来、個人の健康観に基づき、一人一人が主体的に取り組む課題であるが、個人による健康の実現には、こうした個人の力と併せて、社会全体としても、個人の主体的な健康づくりを支援していくことが不可欠である。


そこで、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(以下「運動」という。)では、健康寿命の延伸等を実現するために、2010年度を目途とした具体的な目標等を提示すること等により、健康に関連する全ての関係機関・団体等を始めとして、国民が一体となった健康づくり運動を総合的かつ効果的に推進し、国民各層の自由な意思決定に基づく健康づくりに関する意識の向上及び取組を促そうとするものである。


運動の目標等は、別表に記載されたものであるが、これは健康日本21企画検討会・計画策定検討会、地方公聴会、地方シンポジウム等における広範な議論の中で、多数の専門家及び関係者が情報を共有するとともに、現状及び課題について共通の認識を得る過程を経て提示された指標とその評価の目安である。国は広く関係者等に対して目標等を普及するとともに、継続的に健康指標の推移等を調査、分析し、その結果に関する情報を還元することにより、関係者をはじめ広く国民一般の自由な意思決定に基づいた意識の向上及び自主的な取組を支援するものである。

こうした状況から、国においては、21世紀における我が国の健康づくり運動についての計画づくりを検討するため、平成10年11月に「健康日本21企画検討会」および「健康日本21計画策定検討会」を設置し、1年半にわたる検討を経て、平成12年3月に「健康日本21企画検討会・計画策定検討会報告書」としてまとめられました。


この報告書を踏まえ、第3次の国民健康づくり運動として、心臓病、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に関する課題を選定し、それらの課題について2010年度を目途とした目標値等を提示する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を定め、行政のみならず、広く国民の健康づくりを支援する民間団体等の積極的な参加協力を得ながら、国民が主体的に取り組める健康づくり運動を総合的に推進していくこととしました。


日本におけるヘルシー・シティーズ(健康なまちづくり)運動の一つとして、「健康文化都市シンポジウム」が平成4年東京で開催されました(議長:高知県知事橋本大二郎)。その後、平成6年度には、厚生省の「健康文化と快適なくらしのまち創造プラン事業」を実施あるいはこれに賛同する市町村間のネットワーク組織として健康文化都市協議会が発足しています。



社会保険健康センターなど地域に根ざした施設の廃止や売却に伴い、身体活動・運動による地域住民の健康づくりが妨げられる事例が発生している。このような事例の発生が、国民の健康づくりの環境整備が促進されるという健康日本21の運動への期待からは程遠く、また国民自らの健康づくりへの取り組みを無にするものと考えるが、政府の見解はいかがか。

健康づくりの重要な要素である身体活動・運動のための環境整備には、国の財政的支援は必須である。地方公共団体や関係機関・関係団体への支援はもとより、例えば、語学習得のために民間企業における講座等に参加する場合に授業料の支援が行われているように、国民自らが健康づくりの目的で公営または民営の施設や講座等に参加する際も財政的支援は可能とならないか。


国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ることを目的とする健康増進法が公布され、国や地方公共団体、その他関係者の連携のもと、国民一人ひとりが健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めることができるものとして期待された。