ここ最近、中学生の英語を見てあげてるのですが1点気になる点が・・・

みなさん英語の授業でcouldはcanの過去形、wouldはwillの過去形って習いませんでしたか?

これまったくのウソ英語です。日本の英語教師のレベルはおせじにも高いとは言えないのでこんな教え方しています。

例えば

He could run fast.と書くと「彼は速く走れた」と訳せそうですが、きちんとした英語ではこんないい方しません。

正しくはHe can have run fast.というほうが自然です。couldには謙譲語・丁寧語として用いることが多いので前者では過去の話かどうか聞いた人には判断できません。後者なら現在完了の分であるためどこかの時点までは速く走れたが今はそうではないというと解され過去の話だと分かります。このように助動詞の過去形は基本的には助動詞+現在完了の形で表現するのが正しい英語です。

これが理解できていないと

Could I help you?という文章が訳せません。これ「手伝いましょうか?」っていう丁寧文ですよね?

Can I help you?だと「手伝ってやろうか?」って上から目線になるのでcouldをつかって丁寧な表現にしてるんです。

同様にwillとwouldの関係。そもそも未来の助動詞に過去形っておかしくないですか?willには未来のほかに「強い意志」という意味があります。

He will run fast.だと「彼は速く走る。(速いに違いない)」という意味合いになります。

He would run fast.とすれば「彼は速く走るでしょう。(速く走ってほしいな)」という願望を込めた意味となり過去の話ではありません。

これも定型文でよく見かけるのに

Would you tell me the way to Tokyo station?なんて言い方習いましたよね?「東京駅までの道のりを教えてください」やっぱりwouldも丁寧語での使用のほうがしっくりきます。

他の助動詞にも言えるのですがそもそも助動詞には2通りの意味があり

canなら可能性と願望(話者の気持ち)

willなら未来と意思(話者の気持ち)

というように話しての気持ちに由来する意味を持っています。

 

中学生レベルなら学校で習う助動詞でなんとかなりますが大学受験やビジネスの場ではそうはいきません。

たとえば街中で外国人に出会いました。何か困っているようなので助けてあげたい。しかしその外国人が英語圏のひとかどうかわからない。

この時に

Can you speak English?と聞いてしまうのは大変失礼極まりない言葉となってしまいます。

どうしてかというと中学英語で訳せば英語を話せますか?」となりそうですが前述したとおり助動詞には話し手の気持ちが入ります。

なのでここでの意味は「英語を話せますか?(まぁ話せないだろうな)」という意味になります。

なので正しくは

Do you speak English?とします。直訳は「英語を話しますか?」ですが「英語圏または英語を習得してる方ですか?」という意味合いで伝わります。こののちにDo you need my help?と聞くよりはCould I help you?とするほうが丁寧で自然な英語の流れになります。

 

日本の英語教育は文法用語のほうが重要視され小難しい専門用語を並べるだけの教師が多いのが実情です。

この間も中学の教科書でI hold his hand.って文を「私はかれと握手する」って教えた先生がいたそうですが。なぜshakeではなくholdなのかを説明しないものだから生徒が前後の文脈をしっかりと訳せなかったことがあります。

shakeだと単に握手をする。holdを使ったということは抱きしめるように両手で彼の手を握った。と解せます。これがわかっていれば彼への態度のなかに好意や尊敬の念があるということを前提に文章が読め、全体的な印象がかなり違います。

 

単に電子辞書やGoogleさんの訳をそのまま使うのではなくちゃんと辞書を引いて意味と例文を読むことが大切です。

今回はcanとwillだけでしたがmayやmust,shallなんかも話し手の気持ちが入ると言う点で注意が必要です。

もうこれでcan=be able toではないという点に気づいた方は優秀ですね。be able toには可能性の意味だけで話し手の気持ちは含みません。

 

今後もこの英語シリーズ、時間があるときに書いていこうかな?と思います。