今日の一般部での一コマ
ハヤトが長い期間の末についに緑帯取得。
空手を始めたのは8年前の幼稚園の時。
今でも鮮明に覚えているが、落ち着きがなく、
手取り足取り教えてもなかなか覚えられない、
集中力もない、かなり手がかかる子だった…
当然、同期の子達はどんどん昇級して行き、
ハヤトもやっと受けられる審査で保留になり、
以後の審査会では保留、補習の常連だった。
指導する側はどんなに覚えが悪くても、
継続して頑張ろうとする子なら出来るまで
教える。
いつの間にかハヤトより先を行っていた同期が
辞めて行き、すぐに辞めそうだったハヤトが
人より多くの試練を乗り越えて残った。
試合に出てもほとんどが負け。
昨年出場した大会で3位になり、トロフィーを
初めてもらったとお母さんが喜んでいた。
7年がかりで手にした
トロフィーを持つハヤトの姿は輝いていて
感動したものだ。
そんなハヤトが先日の型の試合で大人や
先輩が混ざるトーナメントを勝ち抜き、
準優勝を飾った。
当時を知る人からすれば奇跡に映るかもしれない
が実際にそういう位置まで成長したという事実なのだ。
不器用で人より常に遅れていたハヤトが
ここまでなったのは、多くの失敗を重ねても
決して諦めなかった本人の努力、辛抱強く
サポートしてくれた親御さんの力が合わさって
来たからこそ。
ハヤトの成長を本当に嬉しく思います。
彼はこの先、困難に直面しても、
最強の武器になった諦めない気持ちがあるから
必ず自分の力で乗り越えて行くでしょう。
緑帯になって上級者の仲間入り。
また気持ち新たにビシビシ行きます。
皆さんに伝えたいこと
帯は自分の力で取るもの、
努力賞ではない。実力が及ばなければ、
帯を手にすることは出来ない。
物も情報も豊かになっている現代、
何でも与えられて不自由のない生活を送って
来たゆとり世代は小さな失敗から這い上がれず
ちょっとした失敗で挫折癖がついてしまう。
物事に失敗はつきものだ。
トライ&エラーを繰り返して成長するが、
子供達本人よりも審査で保留になることを
過度に心配する保護者がたまにいる。
全員受けたら必ず合格、というなら
審査会は意味をなさない、
というかいらない。
成功体験だけを積ませても、
失敗から学ぶ力が無ければ
少しの失敗で挫折ばかりしてしまう。
帯はご褒美に与えるものでなく、
足りない部分があれば、
真摯に受け止めて自分の課題と向き合い、
根気よく取り組み、
壁を乗り越えることで努力の仕方を学び、
苦手なことにも挑戦してみようという
気持ちが育って行く。
我が子を不憫に思う気持ちが実は我が子を
ダメにしているというケースがあるので、
失敗を成長に繋げて行くためには、
親御さんもしっかり向き合って頂きたいと思いま
す。