2日目は中学生から大人までの試合。


インドの選手はアグレッシブにガンガン打ち合う。パンチも蹴りもフルスイング、外からの攻撃が多かった。


中には反則の顔面パンチで大げさに倒れる選手、反則アピールする選手が見受けられた。


長谷川総師に聞いたら、ジャッジは日本式でいいとのことだったので審判交代で自分が主審の時は軽い上段は取らず、下段や前蹴りもダメージや崩れ方を見て判定し、反則アピールはすぐ立ち上がらせて続行、一本負けした選手は試合終了の礼をせずにセコンドがすぐ連れて帰ってしまうので、礼をさせるようにした。


昼食休憩無しで4時間半ぶっ通しで審判をしたので終わって舞台から下りた時は開放感で一杯だった。しかし、ホッと一息も束の間、後2試合残っていると聞いてガクッと来たが決勝だったので

集中しようと思った。



優勝したのは、二段、初段クラスを次々と破って上がって来た茶帯の若い選手(20歳前後)身長175㎝、体重100㎏ぐらいか、パワフルな攻撃が繋がって来るので、対戦者は始めこそ打ち合い、巧さで対抗するのだが、後半に捕まり差がついた。




軽量級にも緑帯ながら強烈な下突きを武器に勝ち上がり優勝した選手も荒削りだが、技の組み立て方を覚えたら相当強くなると思った。


人口が世界2位の国だけあって道場生も多く、マハデヴ師範門下には500名の道場生がいるとのこと。少年部も多いので将来、かなり大きな組織に

なって行くのではないか、と感じた。



選手レベルは高低差があるものの、磨けば光るポテンシャルの高い選手が何人かいてみんな共通しているのは、始めから倒しに行く姿勢。大山総裁が提唱した空手をやっていた。


この原点を忘れている日本人が今は多いように思える。ハイレベルなトーナメントを勝ち上がるには戦術、駆け引き、ペース配分などは必要だが、極真である以上、倒す空手、覇気、闘争心は原点だ。


大会が終わり、感銘を受けた一つの出来事、特別試合があった。


白帯の若い道場生で彼は事故で片足を失った。片足が無いので蹴りは使えない。それでも空手の稽古を頑張り、みんなと同じトーナメント出場は叶わなくとも、試合はみんなと同じにしたかったのだろう。突きのラッシュで片足で相手を追いかけて必死に攻撃をしている姿に感動した。


判定は彼に上がり、その場で表彰を受けた。インタビューでは感極まってしゃべれなかった姿を見て涙が出そうになった。

主催者のマハデヴ師範やインドの人達の優しい

粋な計らいは皆に大きな感動を巻き起こした。


インドの人達はとにかく心が純粋で優しい。

(空港の人達は冷たかったけど)

そしてこれだけ集まるのはやはりマハデヴ師範

の人望と周りを固める黒帯達の結束力、他団体

とも友好的に付き合っているのが見ていて

分かった。