Hさんがこの前の釣行でロッドの先を折ってしまった事で、帰りの車の中で話した内容だが、ティップの先の細い部分は何処まで必要なの?という話だった。
結局Hさんと出した結論は今回折れた部分に新たにトップガイドを付けても問題ないだろう、という結論だった。
ロッドティプの一番先の細い部分、たとえば40・50号で使うリーディング73MHなんて竿の場合で考えた時、先端から2個くらいの部分ってほとんどまっすぐに伸びてて使われていない部分に見える。
底を切った釣りの場合だが、マルイカやカワハギなどで最近はやりのゼロテンションなんていうのをやるなら別だが、テンビンの下に錘やビシを付けてやる釣りでは基本底に錘を付けての釣りってほとんど無いと思う。ではなんであのまっすぐになって何の役にも立ちそうも無い部分が存在しているのだろう?
一つは船釣り特有の状況変化の多さが考えられる。
鏡の様な海面で塩の流れもゆるく、まったりした状況から2メーター近い波高でかっとび2枚塩みたいな状況でも1本のロッドで全て対応できる事が要求される。
前者の様な状況ではこの先の細い部分っておそらく無意味な部分となると思う。
しかし波やうねりが2メータ近く出ている様な状況ではどうだろう?
たとえ40号の錘で底を切ってぶら下げている時でも、船が上がっていく時と、下がっていく時のラインのハリの強さはかなり大きく違って来る。
船が上がっているときは強く引かれ、下がっているときは張りが弱くなる。
おそらく荒れているときにキーパーにロッドを固定してあたりを待つような釣りの場合、20-80号くらいの負荷の変化が起きているのではないかと。
張りが強くなった時のロッドは?これは本来錘の重さだけでなく釣った魚を引き上げる為の強さも必要だし、魚の引きをコントロールできるだけの余裕も必要なので、こちらサイドでの硬さの範囲は十分にカバーできると思う。
張りが弱くなった時、この時は役に立ちそうにない部分が実は機能している時では無いかと。
魚が掛かるというのは、良くあたりを取ってそれに合わせて掛けていると表現される事が多いが、最近はやりの水中ビデオなどで出てくる映像を見ていると、どうやらあたりを感じる時は既に魚がかかっている(針がしっかりとは掛かっていないが、エサを飲み込んでいる状態)で当たりを感じてあわせてもすっぽ抜ける時は魚が違和感を感じて吐き出している時(魚によっては飲み込んだエサを何度も吐き出し、飲みこみ直しながら食べる魚もいる)。
この時ハリスに一定の弱いテンションを掛けていると針が口やその奥に引っかかりやすい(引っかかっているだけで、しっかり針がかりはしていない)状況になるのではないかと。
テンビンを使わない胴付仕替の場合、この弱いテンションを出す事が必要なのでは。ヒラメ仕掛けの様な場合だ。
ロッドが汎用で色々な状況でこういうテンション時も柔軟性が必要という事は有るかも知れない。
テンビンの場合は錘より後ろに針が居るので、テンビン自体のしなりや、クッションゴムを入れる事でこの役目をさせていると思う。
よってテンビン仕掛けで底を切ったままの釣では、先の細い部分は要らないと考える。
また、先に出したリーディング73MHを例にすると実に20-80といった錘負荷に対応している。軽い錘の4倍の重さまでという広範囲だ。カワハギロッドの20-40に対しても倍の広範囲で有る。
船用ロッドとは違う汎用ロッドの場合この錘適用の範囲が広い事が要求されているの
だろう。下限が20号なら15号位までは使いたいと思う人が居るかも知れない。15号ならキス釣りまで範囲に入るかもしれない。
バスやソルトでも有るキャスティングロッドだとこうはならないだろう。
キャスティングルアーの場合まずある程度の距離を飛ばせる事が第一条件、その上で使うルアーの引き抵抗に合わせてロッドの硬さが決まっている。
この範囲を外れたルアーをいくつも持ち込む事が多いためキャスティングのタックルは何本も持ち込む人が多くなる。
1本で済ますという考えは無いからだと思う。
トウィッチやジャークに柔らかいティップが付いていると使いつらいものね。