猪突猛進。言わなくても良いことを直ぐに口走る。思慮に欠ける。周囲を慮(おもんばか)らない。

 

周りがバカに見える!──そんなイメージかな。

 

中央に残った仲間たちからすれば、「何やってんだ、いい加減にしろ!」と、呆れられる狼藉者。一時は脱藩者。

 

それが、私たちだ!

 

西郷隆盛然り、日蓮聖人然り。

 

中央政府にしてみれば、五月蝿くて仕方がない輩──それが、我々なのだ。

 

平時においてはただ喧しい、反乱分子。

 

それが、私たち。

 

中央政権から疎んじられ、放逐された。島流しへ。

 

中央から一番遠い、辺境の地へ。 “あわよくば、そのまま死んでくれと言わんばかり!” ──放逐の憂き目。

 

それが、我々が嘗て居た世界である。

 

オーストラリア大陸は他の大陸から分離され、孤立している。

 

而して、乱世。再び、呼び戻される。

幕末維新の大乱期そのままに。 “最後の時” に至り。

 

だから、中央に残った者たちからすれば、 “遅い!” であり。我々からすれば、 “真打ち登場!” である。

 

我々は特殊工作員であり、秘密工作員であり、斥候であり。特命を受けた特殊部隊。

 

戦端が開かれれば即、斥候として相手陣内に最速で切り込み、撤退となれば “殿(しんがり)” を勤める。

 

異端なのである。放蕩息子だ!

 

 “大きな羊なのだ!”

 

羊飼いが、100匹の羊を置いて──100匹の羊たちは羊飼いが居なくなっても、柵からは出ない。羊飼いはそれを百も承知で、探しに出掛ける。 “一匹の大きな羊” を!──美しいとは、 “大きな羊” と書く。

 

そう我々が、 “異形の集団” なのである。

 

最期の時に至り、乱世極まりし時。

 

傍若無人、数多の狼藉すべて恩赦の上── “切り札” として、送り込まれる。

 

即ち、環太平洋アジア弧状線が形成されている、今この世界。

 

★★★

 

ずっと、忍耐を重ね続けた、中央の残党──同志。彼らにしてみれば忍従に次ぐ、忍従の日々。

 

我々と言えば、すべてを消され、何時果てるとも知らない際限のない放浪。流浪人。

 

島流しの汚名から、再召集された日々。突然変異の反逆者。

 

時の政権から邪魔者扱い。

 

再び、合間見えた。

 

故に、時を知るべし !!