JJです。


夏だからというわけではないのですが、みなさん、霊感ってありますか?


何か、人の世にはない”何か”を感じることができる能力。


あいにく、僕は、からっきし無いんですね。でも、昔から、怖い話を聞いたりするのは、案外好きです。


みなさんのお話、きけたら嬉しいな!


僕がそれらしいのを見た?のは、一度だけ。



寒い冬のある日、そろばん塾の帰り、雨が降っていたので、僕は父親に車で迎えにきてもらいました。


30年以上昔の田舎道で、まだ、道が舗装されていませんでした。車のヘッドライトが当たると、荒れた土の地面が、まるで月面のように照らし出されて、少年だった僕は、ワクワクしたものです。


その日は、冷たい雨が降っていました。でこぼこ道の所々に水たまりができてて、父親は、それを避けながらゆっくり運転していました。


助手席に乗っていた僕は、前方、ヘッドライトが照らす、その闇の先に一人の子供が歩いているのに気が付きました。


その子は、傘もささずに、ずぶ濡れで道路の左端を歩いていました。


車は、後方からその子供にどんどん近づいていきます。僕は、ただ、


「なんで傘もささずに、こんな時間に歩いてるんだ?」って、不思議がってました。


車はその子に近づいていって、やがて、助手席の僕は、その子と並びました。


すれ違いざま、顔を見てやろう(知ってる子かもしれない)としたんですが、なぜか顔が暗くて、何も見えませんでした。


髪や服がずぶ濡れなのは、しっかり見えました。でも顔だけ、見えなかったんです。


そのまま、車はその子を追い越してしまいました。そこで僕は父親に、


「あの子、こんな時間に傘もささずにずぶ濡れでかわいそうだね!」と話しかけたのですが、父親は怪訝な顔。 父親は、そんな子供見ていない。というんです。


咄嗟にサイドミラーを見ましたが、もう、その子はいません。父親に無理矢理、車を停めてもらって、ドアを開けて、後ろを確認しましたが、やはりいません。


狭い道路を我々の車だけが走っていて、前方を歩いている子供に父親が気付かないなんて、そんなことあるんだろうか?


確かに、父親の性格からすると、そんな夜に、しかも雨の日にずぶ濡れの子供を見かけたら、ほっとけないで、必ず声をかけて、なんなら、家まで送っていってやろう!とか言い出していたに違いありません。



車が汚れるとか、濡れるとかで、見て見ぬふりなんて、できないはずなんです。


あとで、父親に何度も確かめましたが、やはりそんな子見てないというんです。



あれは・・・あれは、何だったんだろう。



今でも雨の日に前方を歩く子供の後ろ姿を見ると、その子の事を、思い出してしまいます。


僕の唯一の不思議体験です。