今朝の出来事で、話しておきたい話があります。


話してどうなるもか?・・・正直、僕にも判りません。

ずっと何年も、心に刺さった棘のような、つらい思い出です。


僕には、後輩を失った苦い経験がある。

十数年前、僕は会社の寮に住んでいた。

寮には同僚がたくさんいたわけですが、その中で「Tくん」がいた。


僕より3年後輩だった。

ある日、僕は会社を終えて、JR京都線の千里丘の駅に着いた。


寮は歩いて15分のところにあった。

たまたま降りたホームのベンチに「Tくん」は座っていた。


「どうしたんや?そんなとこに座ったままで。誰か待ってんのか?」


彼は、「いや、なんでか立てないんですよ。」と苦笑いしながら答えた。


その苦笑いが、半身麻痺の兆候であるとその時は、気付かなかった。


「なんや、酔っぱらったんか?」と聞くと、


彼は「酎ハイを1杯だけ」と答えた。ろれつがおかしいが、酔っているからか?


そうこうしていると、駅員が担架をもってやってきた。

どうやら、「T君」はずいぶん長くベンチに座っていて、それを不審に思った駅員が救急車を呼んでいたらしい。


駅員から「あなた知り合い?」そう聞かれて、同じ会社の寮のものです。と答え、そのまま救急車に同乗して、近くの脳外科の病院へ。

救急車の中では、意識があり受け答えできていた「T君」だったが、病院到着の頃には、眠ったように静かになっていた。