『地質学者 ナウマン伝』(矢島道子、朝日新聞出版、令和元)

 

今月の新刊です。著者の矢島氏は、日本地質学会の理事を務める古生物学者・科学史家です。

 

ナウマンゾウだけではなかった!

才能を見込まれて20歳で来日、東大の初代地質学科教授となり、日本の地質構造を明らかにしたお雇い外国人。来日直後にフォッサマグナを発見して以後、超人的な行程で調査に邁進し、滞日10年で現代に遜色ない高精度の日本地質図を完成させた。

帰独後、その功績は日本でかき消され、帰国後の人生も母国でほとんど知られていない。

同い年の弟子たちとのいさかい、寝取られた最初の妻をめぐる決闘、留学生森鴎外との論争を含め、東大で地質学を学んだ著者が、図書館に眠る資料を掘り起こし、波瀾万丈の足跡と日本地質学の黎明期を描き出す。                (本書内容紹介より)