武勇伝
【空手道訓】
空手とは人に打たれず、人を打たず事なきを元とするなり。
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今日は、私の空手の先生のお話を少しさせていただきます。
いつもどおり厳しい稽古を終え“某繁華街へ一杯呑みに行こう”っと
先生と伴に飲み屋へ向う途中・・・
中年サラリーマンがチンピラに絡まれているのを発見
やはり、ここは見て見ぬ振りができず先生は私にここで待てと言い残し
中年サラリーマンを助けるため、チンピラの前に割って入ったぁー
チンピラは当然の事ながら先生に敵意剥き出しの様子
こいつ、いきなり殴ってきやがったが
そこは空手四段(その当時)、軽くスウェーでいなし
体制を崩さず今度は先生が打つぞっと思いきや・・・
打たない!
(流石や、空手とは人に打たれず、人を打たず事なきを元とするなりの空手道訓を守っとるやん)
2度、3度、4度、5度と襲ってくるチンピラ君
だけどパンチは当たりまへん!
次に先生は、作戦を変えてチンピラに己の身を盾に打たせる方法を取ったぁ
(疲れさせて戦意を失わせるんやね)
先生は、顔の前で腕を十文字に組んださぁ
何度も何度も顔面を狙って殴ってくるチンピラちゃん
(ど素人は、顔面狙ってくんねん 俺ならここは金的やね)
しつこい野郎っと思った瞬間
(あかん死ぬ)
口から血を吹きだし
顎を押さえて
猛ダッシュで
逃げよったんよぉ
あ~ぁ
やってもたさぁ
先生の正拳がチンピラの口元にヒットしてしまいましてね
(この人、普通の人間とちゃうで一撃必殺やがな)
先生の足元には白い物が2本落ちとったわ
(えっと、人を打たずとちゃうかったっけぇ!?)
先生曰く、
『あいつのパンチがな 俺のデコをカスリよったんや』
『思わずやってもたわ』
『反射神経やな』
(恐るべし、この男)
で、その日の呑み会は中止
(まぁ、当然やね)
気が付いたら現場は黒山の人だかり。
この後、中年サラリーマンと伴に警察へ行って事情説明してまいりました。
警察のおっちゃんも『正当防衛やな』って!
先生は、私よりも背が低くて、やさしい顔をしてる御方です。
皆様
人は見かけだけで判断すると、えらい目に合いまっせ