『模様』『紋様』『文様』について、この違いを明確に意識している方は少ないのではないでしょうか。

 

和柄は日本のデザイン分野における様式美です。
様式美とは、洗練された手順や形式に存在する美しさのことをいいます。 

主に伝統的な芸術分野で使われる言葉です。

 

今回は、日本の様式美『和柄』の一般人がほとんど区別がつかない『文様』と『紋様』の違いについてのお話です。

 

まず、「文様」には描く者によってその形が変化し、自由な表現方法を示すニュアンスがあります。

しかし紋様の「紋」は、例えば『家紋』のように、描き手が変わっても定型的な形となり得ることを指しています。


そこで、私は表現の幅が広く創作的な和柄を『文様』。
固定的な型が存在する和柄を『紋様』として区別しております。

 

最後に「模様」とは、染織などを主とする工芸品の表面の図柄として施されるデザインをいいます。
模様には紋様や文様がそれぞれ独自に表現される場合もあれば混在する場合もあります。

 

 

伝統文様研究家 成願義夫