僕の友人は、かつて大阪の某デパートのメインウインドウディスプレイを担当していました。


僕が見ても彼の仕事は素晴らしく、「才能を発揮出来る良い仕事に出会ったな」と、同級生として彼を誇らしく思っていました。
しかし、彼は40歳になる前に現場を離れていたのです。
まだ、若いのにどうしてか?と聞いたら、「綺麗にまとめてしまうようになったから」と、言いました。

「綺麗にまとめることは、いけないことなのか?」と尋ねたら、「ウインドウの前で通行人が立ち止まらなくなったから」と、寂しそうに言ったのを覚えています。
その昔、世界のホームラン王と言われたジャイアンツの王貞治さんは、その年に30本のホームランを打ったにもかかわらず、惜しまれつつ突然現役を引退した事を思い出しました。

いまだに多くの方の記憶にあると思います。
「本来ならホームランになるはずの打球がフェンスを越えなくなった」と、それが理由でした。

 

「スランプ」と「限界」の違いを見極めるのも一つの美学。
自分でやりきったと思える人だけが持つ、『他人と比較しない自分の美学』貫ける人、素敵です。

 

株式会社 京都デザインファクトリー