先日、立て続けに映画をじっくり観ました。
渡辺謙さん特集ということで、まだ観てなかったこの2本。
謙さん以外に共通点がありました。
太陽と、脚本家の方です。
太陽はさておいて、映画は、シナリオがしっかりしていないと、いくら俳優さんがよくても浮かばれません。
この2作は、脚本が良く書けてると思います。
興味深く楽しめました。
まぁ、どっちも、モデルのある話が原作で、その場合、脚色という形になるのですが、これはこれで脚本家は大変なご苦労があるかと思われます。
でも、うまくいくと、話にリアリティがあるので、説得力が違ってきて、そこにもってきて俳優さん達がはまると、作品はがぜん光ってくるのです。
どちらの作品も、そういうことがうまく回った佳作でした。
ただ、個人的には、ラストがどちらもちょっと物足りなかったのですが・・・。
あんなふうに、感動的っぽくするより、もっと淡々と・・・って、私の好みですが。
「沈まぬ太陽」は、ご存知、山崎豊子さん原作です。日本航空の御巣鷹山事故が出てきて、当時の日本航空の内部事情をモデルに書かれた大作。
もちろん、映画の中身が全部ホントのことだなんて思いません。
でも、きっとこんなふうだったんだろうって、思ってしまいました。
スミマセン、日本航空の方々・・・。
でも、今の日本航空の有りようを見てれば、納得しちゃうかも・・・。
そして、日本航空が破たんしてきた理由は、こういうところにあったのねと思ってしまいます。
それにしても、あの事故で無念の死をとげた520名のことを思うと、今でも胸が痛みます。
あの年は子供が生まれ親になった年でした。だからか、あの時の悲しい気持ちをよく覚えております。
「陽はまた昇る」は、日本ビクターがビデオ事業でVHSを開発、ソニーのベータとの闘いに挑んだ物語です。
ここには、一人の立派な上司が出て来ました。
しかし、会社の上層部は、ビデオ事業が今後の重要案件であることは認めつつも、自ら開発するような体制は考えておらず、当時の事業部は工場の隅っこの廃屋同然の建屋で修理だけをしていた。
そこに、開発室長だった主人公が事業部長として着任します。左遷です。
ですが、ここで、この事業部長は頑張るのです。自分たちで、家庭用ホームビデオを開発するんだと燃えるんです。
こっちは素敵な物語になっています。観ていて、仕事に賭ける男の人たちの気持ちに圧倒されました。
あっ、共通点がもう一つありました。
奥さんの内助の功です。
どちらの作品も、素晴らしい日本の理想の女性になってました。
脚本家が同じというのは、こういうところにも出てますね・・・・。