30数年の大学教員生活もほぼ終わった。大学教員はもうやらないし、学生に教えることもしない。研究者になるときに思った、この社会というものを理解したいという切実な思いも、ほぼ満たされた。その延長線上にある研究ももうやらない。
ロボットに芸をさせたいという思いから、結局自分が芸人の養成所に1年通うことになったのが2015年春だったと思う。芸人としての活動も細々とやっている。ヒューマノイドロボットやドローンとお笑いのネタをやるのは楽しい。人の一歩先をいっているという思いがある。
もともとは、地元の板橋区にコミュニティFM局を開設したいと思ったことがきっかけ。無線の知識をしっかりと得たいとアマチュア無線の3級を去年の10月に取った。11月にアマチュア無線局 jj1vkdを開局し、さらにそれ以上の無線と電波に関する知識を得たいと、第1級陸上無線技術士の資格を目指し、その途中でついでにと第1級アマチュア無線技士の免許を獲得。第1級陸上無線技術士の資格も今年の2月にとった。
寝食を忘れたかのような集中した勉強の中で、これはもともと自分が大学の工学部に進学したかったことの動機をなすものだと気付いた。勉強が面白かったのだ。実際の大学の工学部電気科の勉強は、中途半端で、結局大学院は経済学に進むことになり、大学教員になってしまった。自分を大学時代に戻すための無線工学の勉強だったと思うようになった。
自分の人生を後戻りしながら新たな挑戦をしたことになる。