『CHECK MATE』


眼下に広がる 白けた景色

果てなく続くような ふやけた空気


打ち付け弾ける 波の飛沫さえも

隔てる断崖を 崩せない


ただ盤上を眺める日々

振り切って飛び立つ時を夢見て


いつか黒鉄色の海を超えて

この声を届けに行こう

語り継がれる歌のような

絡み合い複雑なメロディを

手にしたコマを「護る」ことと

動かないこと 違うんだ

一歩ずつ進めて きっとたどり着く

赤銅色の朝焼けに


石造りの柱でも

追い風を

はばめない


盤上に並んだ日々

断ち切って飛び立つ時が来た


そうさ白銀色の空の向こう

この音を鳴らしに行こう

歌い継がれる言葉のように

解されてシンプルなハーモニーを

手にしたコマを「使う」ではなく

共に進むと決めたんだ

一つずつ重ねて きっと紡ぎ出す

黄金色の天の川を


一歩ずつ進んで きっと見えるはず

透き通る満月が