苦手な風景がある。
苦手な匂いがある。
苦手な音楽がある。

苦手なトリガーがあるのだ。

それは、
「辛いものが苦手」とか、
「カタツムリが苦手」とかの苦手とは違う。
嫌いとかとは違う。


兎に角、
精神的にダメージになる苦手だ。

雨の日に、
洋楽が流れるのが苦手だった。
「だった」と言うのは、
もう洋楽じゃなくてもダメなものが増えたからだ。

本当に、理由も原因もわからない。
兎に角、
とにかく哀しい様な、
締め付けられる様な、
絶望の様な気持ちになる。
涙が出るとか、
そんなのとも違くて、
「何故、生きてしまっているのか」、
「どうして死んでしまわなかったのか」
みたいな気持ち。
「どうするつもりなんだ」
「お前のせいだ」
みたいなイメージ。

具体的に何かが言ってるわけではない。
自分の中で、
そう言ってる自分がいる気がするだけ。
だけ、なんだけど、
年々重い。


今、外を歩いたら、
夏の匂いがすると感じた。
夏は、好きだ。
けれど、
今日の僕は、
この夏の匂いが苦手らしい。