ジェジュンor(カ)ジェシカ‐71~時を止めて⑪ | ユノ&ジェジュン 妄想ブログ~I need to be in Love

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~愛がなければ生きていけない~
幸せのかたちはいろいろあるけれど…
そこには、必ず “ 愛 ” がある
人間(ひと)には必要不可欠なもの?
“ 愛 ” があればどんな困難も乗り越えられる?
そんな姿をユンジェで妄想しています♥

 

 

 

ジェジュンが気が付くと

見慣れない白い天井が視界に入ってきた

 

動こうとするとキシッと音がして

長いソファーに倒している状態を自覚した時

部屋の中は不安な程静まり返っていた

 

「ここは?」

 

小さく呟いた

徐々に意識を取り戻して左右を見渡すと

スタジオの奥、カーテンで仕切られている

スタッフたちが休憩していた場所だった

ジェジュンは、浅く深呼吸する

 

今日の撮影で最後

―――もう会えない……そう思うと眠れなかった

そんな時、突然パパ…父さんが病室にやって来たそれで

あ、撮影は―――

 

もう一度辺りを見渡して見ると

少し離れた位置で、誰かが椅子に座っているのか

カーテンの下から長い脚が見えた

鼓動が少し早くなる、もしかして……

 

「チャンミン?」

 

急いで伸した腕が落下寸前

微かに触れた指のせいでカーテンが波打った

 

瞬間―――

勢いよくシャーッと音を立ててカーテンが引かれた

 

「……気が付いたのか?」

 

………ユノさん!―――

うそ…………

びっくりして起き上がった途端

ふらりと眩暈がした

 

「ぁっ――!!」

 

「まだ動かない方がいい!」

 

ユノの大きな手で肩を支えられた

ソファーに膝をついて顔を覗きこんでくる

唇が薄く開いたまま力が入らない

 

「大丈夫か?」

 

声をかけられて、夢から目覚めた直後のように

一度大きく目を瞬かせる

途端に、ドキリとした心臓が早鐘を打ち始める

苦しい、細く息を吸い込む

 

「気分は?」

 

ジェジュンは声もなく瞬いた

 

「―――――!?」

 

息が―――

止まるかと…思った……

 

声を失う体験は初めてだ

ユノが額に手を伸ばしてくるから

まじかで目があってしまった

 

―――なんでここにいるの……?

小刻みに揺らぐ視線でユノの眸を見上げた

 

「…ボアが薬を取りに行っている

 もうすぐ、帰って来る頃だから」

 

ユノが眉間に皺を刻み、低い声

ジェジュンは呆然と凝視する

小さく頷くのがやっとだった

   

……鼓動が自分の耳から聞こえる

     

ユノもジェジュンも落ち着かない

お互いにチラチラ目配せしながら、押し黙っていた

 

気づかれてない?

…側にいたいのに

ユノさんの視線が痛い―――

ボアさん、お願い早く帰って来て…

お願い…

 

ジェジュンは祈るように

ぎゅっとかけられた毛布を握りしめる

 

「ちょっと座ってもいいか?」

 

ユノはわざと明るい口調で沈黙を破った

 

ソファーの隅に腰を下ろすと、ユノの体が足に触れ

ジェジュンは瞬時に両足をひっこめる

 

一瞬、何か言いたげにユノが口を開いた

ゴクンと一度、呑みこんだのがわかった

 

「起きられる?」

 

頷くと、手を取り背中に腕を回して

怠い体を抱き起こしてくれた

 

ユノさんの匂い―――

ユノさん……

まだ足に感触が残っている…

どんな理由をつけてでも、すべてただの口実に過ぎない

こんなに近くにいるのに―――

ユノさんがアメリカにいる時は

想うだけで諦められたのに

こんな風に優しくされるともっと側にいたい

ダメだと分かってても...心が叫ぶ

近くで顔がもっと見たいと思って…しまう


「大丈夫なのか?」

 

心配そうな目で、顔を覗かれるから

ジェジュンの肩がぴくりと動き、ソファーがきしんだ

―――ばか

動揺を表に出してしまった自分を叱責しつつ

変に思われたりしないように身を縮め

膝を抱えて、小さく頷いた

 

その姿がなぜかとても幼く見えて

きゅっとユノの胸の辺りを掴む


「無理してないか?」

 

心配してくれてる……

嬉しい…思いと裏腹に

ユノさんを直視することが出来ない

 

「モデルの仕事はハードだからな…

 まだ、体調が悪いんじゃ…」

 

顔を覗かれ、胸がどきどきと鼓動する                                                                          

じっくり見られると不安が募って来た

 

「撮影中に2回も倒れるのは―――」

 

心臓が不安に痛み、膝を抱え握りしめた指が震える

バレないはず、そう思うのに、胸がざわついた

 

「無理して…」

 

息苦しい…

体が震え、胸が押しつぶされそうに不安になった

 

「…(無理)してない」

 

俯いたまま苦しさから

自然と言葉が口から零れていた

 

「…何も…知らない…くせ…に」

 

弾かれたようにジェジュン顔を上げた

驚いたユノと目があった

 

胸が大きく脈打つ、震える指で

口を押えてどんどん小声になっていく

ユノのアーモンドアイが大きく見引かれたまま

ジェジュンを見つめてくる

 

声が…ジェジュンによく似ている

いや、そのものだ…ますます混乱しそうだ

   

黒い瞳が揺れている

ユノはその澄んだ輝きを放つ瞳に

ハッと惹きつけられるような、脆くて儚い美しさが

そこには存在していた

 

何かに迷っているようにも

戸惑っているようにも見える

だが、ユノの目から逃げるように、顔をそむけてしまった

その仕草に、苛立ちを覚えてジェシカの手首をぐいと持った

 

「あぁ、知らないね

 だったら話してくれ!

 お前の、ジェシカのことを―――

 何処が悪い?どうして何度も倒れるんだ?

 どんなに心配してるか、わからないのか?」


びっくりしてユノを見た

 

その声音で、怒られているように感じた

ひどく、ユノさんを怒らせている

 

その強い眼差しに

身じろぎできず、息を呑んだ