薄氷を歩く | からだはうす「時の徴(しるし)」

薄氷を歩く

人間は自分自身を騙して生きている。意識とは自らを半分騙す装置である。

何を騙しているのか。それは、どうにも特定することのできない己自身の片割れである。それを無意識と呼んでもよい。



しかし、騙されている片割れの実相は現実に現象(出来事)として立ち現れる。

人間存在とは常に自分が分かっている以上のものだ。要するに、私たちは未だによく分かっていない世界に棲んでいるし、己自身がよく分かっていないメカニズムそれ自体なのである。



そう考えると、人間があらゆる領域にルールを設けた理由がよく理解できる。

そして、生きていくために時代のルールを自らの価値観として糊付けする。

さらに、自らを安定させる手っ取り早い方法として、最も強力だと思われるルールに寄り添う。(最も強力だと思われるルールは各人が異なるのだが)



そうしてときどきのルールが個を通過するとき、ルールはその人独自のもののように装われる。人は自分がルールを操っていると思いがちだが、実はルールの方が個をなんとか支えているのだ。はじめから終わりまで自分独自のものなど何ひとつない。



人間はなんとなしの合意の上を強靭な思い込みで歩いていく。

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