“たっちゃん”のホームグラウンドである三河湾にツーリングというより、むしろ散歩に近い感覚で出かけたときのことだった。
幡豆町で昼時を迎えたので、たまに立ち寄ることがあるショッピングセンターの中にあるスーパーに立ち寄ったところ、メインテナントであるスーパーが閉鎖されていた。
仕方がないので、ショッピングセンターの中にある手作りパンの店で、昼食を調達して、帰り際にもう一度、この閉鎖されたスーパーの前を通って、その閉鎖された訳を調べると、「店内改装のために休業します」という張り紙がしてあった。
“たっちゃん”は、また、このスーパーを利用出来ることが分ったので、ほっとした。
このスーパーには、更にもうひとつの張り紙があった。
それには「リンゴ箱をご自由にお持ち帰り下さい」とあった。
そして、その脇には、あの懐かしい木製のリンゴ箱が、6~7個無造作に置いてあった。
昭和30年代ぐらいまでは、この木製のリンゴ箱は、家庭でも重宝されていて、物入れのほかに、子供の勉強机にもなっていたのだ。
そして、高度成長を迎えて日本が豊かになるに従って、勉強机になっていた木製のリンゴ箱は、次第に本物の勉強机に代わっていった。
また、木製のリンゴ箱は、コストの安いダンボール箱に駆逐されて、今では、ほとんどお目に掛ることがなくなってしまった。
“たっちゃん”は、スーパーに買い物に行って、よく空のダンボール箱を頂いて来ることがあり、その中には、リンゴ箱が混ざっていることがあるが、それはもちろんダンボール製だ。
ダンボール製のリンゴ箱より、二廻りも大きい木製のリンゴ箱であるが、“たっちゃん”のカブには、難なく搭載出来るので、ありがたく頂戴して、室内の物入れにするつもりだ。
木製の物入れは、合板製やプラスチック製の物入れに比較して、室内が無機質にならないのがいい。
ところで、“たっちゃん”のカブは、木製のリンゴ箱のような嵩張る荷物の他に、合法的に女性も乗せることが出来るので、乗車ご希望の方は、ご連絡下さい。
特典として、三河湾のミニ・ツーリングとランチをお付けします(笑)