※「いただきます」と「ごちそうさま」!!
ずいぶん色んなことを覚えてきた「あかりん」ですが、これだけはどうしても覚えておいて欲しいことがあります。
それは「いただきます」と「ごちそうさま」がちゃんと言えること。
これだけは周りがどうであっても「じぃじ」としては譲ることの出来ない一線なのです。娘たちにも同様に伝えてきた私の拘りなのかも知れません。
私の父親、つまり「あかりん」にとっては曾祖父さんにあたるのですが、とても行儀に厳しい人でしたから、子どもの頃には随分と注意を受けたものでした。
なかでも厳しかったのは食事の作法でした。頂きますは、手を合せるのは当たり前のこと。箸と茶碗を持った時の両肘が高いと容赦なく竹の物差しが飛んでくる始末です。
さらに厳しいのは食事中の咀嚼音、つまり音を立てて食べることは許されませんでした。こんな厳しさでしたから食事中に何度も物差しで叩かれたことかしれません。もちろん、その場で泣くことなど許されませんから、ただ声を出さずにしゃくりあげるばかりでした。
そんな私を見かねた母が、そっと物陰に呼んで言い聞かせてくれた言葉がいまでも忘れずに耳の奥に残っています。
それは「大きくなったら人様の前で食事をすることがあるだろうけれど、その時に、いま叱られたことが、きっと良かったと思えるときが来るからね」という言葉でした。
その言葉どおり、あのときに教えられたこと、叱られたことがあったからこそ役立っていると感じたことが何度もありました。しかし、それに気ずくまで随分と遠回りしたものだと思います。
だから、いまでもそうなのだけれど、食事のときに「くちゃくちゃ」と音を立ててモノを食べる人とは、食事中の咀嚼音が気になってできるだけ同席しないようにしているのです。
さて、こんな「じぃじ」の気持ちを知ってか知らずか、「あかりん」ときたら、小さな時から「いただきます」と「ごちそうさま」はちゃんといえるので、とりあえず安心しています。
これだけは、古いといわれようと、決して譲れない「じぃじ」の拘りなのですが、それは昔、母親から諭された言葉を忘れないで伝えておきたいからなのです。
そうそう、昔と違って叩くなどということは一切していませんがね。