連載性春小説  碧いラフレシアの花 -173ページ目

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


TAKAは真帆が留置所で自殺騒ぎでも起こすのではないかと心配になってきた。



これがドラックではなくて精神病でありますようにと願ったが



ドラックだと思った。




どちらにしてもさらに死ぬ死ぬと騒がれたら



さらに蜂の巣をつついたような大騒ぎになるのは確実だった。




「どんなことがあっても死ぬなよ。」


TAKAが小声で言った。




その口調は淡々としていて励ましの口調ではなかった。




「別によりを戻すつもりはないんでしょ?」


真帆が馬鹿にしたように言った。



TAKAは腹が立ってきた。


殴り倒したかったがパトカーの中なので我慢した。





TAKAは娘の絵里奈の顔を思い出した。


ダメでだらしない母親を持つ自分と、自分そっくりの顔の娘の姿がだぶった。



なぜか急に絵里奈が学校でいじめられるんだろうな・・と娘が心配になってきた。





「よりを戻すから死なないでくれ。」


自分で言った後、TAKAが少しシマッタという顔をした。



でももう何でもいいから騒ぎにならなければ嘘でも


何でも


娘のために


自分の仕事のために


これは




この嘘はアリだと開き直った。




「やり直すから・・警察ではちゃんとしていてくれ。絵里奈の将来のためにも頼む。寄りを戻すから死ぬな。」




真帆の顔が喜びで恍惚として輝いた。



真帆が涙であふれた目でTAKAに笑いかけた。



「全部許してくれるのね。ありがとう。」






女房が・・不倫2回、万引き、…覚せい剤か・・まあ、運がよければ精神病・・・。






TAKAはぼやくように



「話し合おう。」



と言いながら怒りを隠した。




怒りと動揺を隠した。




これはドラックだなぁ・・・と恍惚と至福に満ちた真帆の表情を見て


TAKAは絶望した。




パトカーの窓に雪が吹きつけてきたのに気が付いた真帆が


「寒いね。雪だね。」


とTAKAに言った。



TAKAはもう何もいう気がしなかった。




「私たちがよりをもどしたのは9年前のクリスマスだよ。覚えてる?」


真帆が聞いてきた。






あああれか。


ドラックやって違う穴でした夜か・・と


TAKAが思い出してうんざりした。





こんな自分がハイプロフィールになるとは思わなかったし


あのままB級バンドのベース弾きでぽしゃりそうな自分に


高収入の真帆は何となく居心地が良かった。



そして2人で何かが外れているところが似ていて




とてもラクだった。





「お前、今日は最悪に外してくれたよな?しんちゃんごときで全部パーだ。馬鹿かお前は?」


TAKAが怒りながら言った。



「ごめんなさい。」



「もう御免じゃ、世間は済まねえよ。」



「世間はもういいよ。」


真帆が涙ぐみながら言った。


「よくねーよ。」


TAKAがむっとして言った。



「もう世間なんかいいよ。死ぬからさぁ。」


真帆が悲しそうに言った。