碧いラフレシアの花 その892 真帆の死 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代











真帆が死んだ。



KENちゃんはびっくりしてTVを見ていた。




臨月の雅子さんがそばで画面をじっと見た。





こんなにあっさりと人の死が来るとはKENちゃんは思わなかった。



ワイドショーが「拒食症の末の心臓発作」と報道した。


KENちゃんは真帆の亡骸を想像した。

小柄な真帆がさらに痩せて遺体になるところを想像した。



自分が22歳の時あんなに愛した真帆の体が

もうなくなってしまった。




どうしてこの子はうまくいかなかったんだろう。




KENちゃんの目から涙があふれた。




雅子さんが不思議な顔で


「あなたどうしたの・・?」と言った。