碧いラフレシアの花 その886 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代

「KENちゃんがおとーさんになるのがそんなに嬉しいの?うれし泣き?」

TAKAが受話器の向こうで真帆を馬鹿にしたように言った。


「仏の顔も3度だよ。」

TAKAがボソッと言った。




何回も離婚を口にするくせに離婚の話はTAKAから全然進まなかった。

お母さんを通して絵理奈に会えていれば満足なようで

世間はおかしな夫婦だと思っていた。



奥さんが覚せい剤で捕まっても

自分のプロデューサー業の事を気にするでもなく

ただ放置していた。

TAKAが何を考えているのかはよくわからなかった。



世間は真帆の自伝漫画のTAKAキャラを笑いながら読んでいた。


あんなに死ぬほど愛した綺麗なバンドのお兄さんが

今の真帆の漫画では葉っぱの香りのするいい加減キャラで

何も考えていない人で笑いをとっていた。