碧いラフレシアの花 その813 TAKAとしんちゃんの再会 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



仕事の後でTAKAが事務所の社員2人と別れて駐車場に向かおうとしていた。





春の夕方の道をぼんやりと街灯が照らしていた。



薄明るく光るコンクリートの上にTAKAはどこかで見た人が立っているのを見た。




「TAKAさん、TAKAさん。俺の事覚えてますか?」



TAKAがじっと30歳ぐらいのその男を見た。




「B・Bでローディしていた高宮慎太郎です。しんちゃんって呼ばれていた・・。」



「ああ・・。しんちゃんか・・。」



急に10年くらいワープしたようにTAKAがきょとんとした顔で言った。









「不思議だ・・。しんちゃん。今日、真帆としんちゃんの話をしてたんだよ。朝方ね・・。」


「へぇ?今でも俺の話なんかするんですか?」


しんちゃんがちょっと嬉しそうに言った。




「俺は昔お世話になった人は忘れないよ。懐かしいよ。」


TAKAが言った。



「真帆さんは元気ですか?」


「元気って女ではないよ。昔からね・・。知ってるだろ、しんちゃん?」



しんちゃんは真帆の過去を思い出した。



TAKAが寂しそうに笑った。



「ポン中なったり拒食症になったり・・まぁ、あいつはアレだよ。でもまあずっと一緒だ。」



TAKAがそう言った後、しんちゃんが苦笑した。




真帆さん・・・ずっとTAKAさんが首にしたバンドメンバーのKENちゃんと浮気してましたよ・・とは口が裂けても言えなかった。







「しんちゃん、いきなりこんな話もなんだけど・・俺、実は金がないんだ。昔のマネージャーの田畑さんとたまたま会った時、しんちゃんがライブハウスLのオーナーだって話を聞いたんだ・・1年位前かな?それで・・もしよかったら俺もビジネスに入れてくれないかな?」


「え・・オーナーなんてとんでもない。友達と3人で経営していて・・トントンですよ。」


「俺を入れて4人で・・っていうのはどうだ?」


「ええっ?TAKAさんが経営陣に入ったらすごい宣伝効果ですよ?でも、いいいんですか?本当にこじんまりとしたもんですよ。」


「俺も金なくてこじんまりとしてるよ。マメに顔だしてDJのチケット代とか上げてやるから。」


「うわぁ。主婦のアイドルのTAKAさんだから主婦の追っかけが来そうだなぁ。」


しんちゃんが笑った。






しんちゃんはTAKAが母親の負債で苦しんでいる噂をすでに知っていた。




「昔売れない時もしんちゃんにスタジオ代とか借りたね・・。」



TAKAが昔のような口調で言ったのでしんちゃんは少しびっくりした。




「いや、もうネームバリューだけでもありがたいです。今度他の経営の友達2人もつれてくるから会いましょう。」


「顧問弁護士を連れてこようか?」


「本当にそんな店じゃないですよ。TAKAさん。」


しんちゃんがびっくりしたように言った。