碧いラフレシアの花 その621 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

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好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


TAKAは美穂と話しているうちに美穂は社長と一緒に違法賭博もしていることに気がついた。


違法賭博のメンバーもびっくりするほど有名人ばかりだった。



「誰か家族に頼んで、パスポートだけでもマンションから何とか取って来てもらったら?もう日本にいないほうがいいよ。」

TAKAが言った。


「ヤクザ絡みすぎるよ。」

TAKAがためいきまじりに続けた。



「家族なんかいないよ。」

美穂が言った。


TAKAがぎょっとした。


自分と同じ香りをTAKAは美穂から感じとった。


TAKAがなだめるように「友達に取ってきてもらいなよ。」と言った。

「友達なんかいないよ。知り合いだけ腐る程いるけれど・・・友達はいないよ。」

美穂が言った。

「もう逃げられないように社長が合鍵でマンションに侵入して日記とパスポートは破壊してると思う。」

美穂が悲しそうに続けた。




知り合いはいっぱいいるけど友達はいない。

家族なんかいない。





この子は自分と似ているとTAKAは思った。




でも今のTAKAは娘がいて

妻の真帆の事は愛していた。



でも美穂には何もなかった。



「TAKAさんお願いがあるの。一生のお願い。」


TAKAは困った。



美穂の事は愛していないし、自分の妻子に迷惑がかかるのはご免だった。




「もし、私が死んでも・・・誰にも・・何も言わないで。私が話した事を一切喋らないで。私が殺されても警察にも何も情報を漏らさないで。」


「何で?」

「どうせ死んだらオシマイだよ。それで犯人が捕まったって、私のソープの過去やら、体張ったヤクザへの接待やら、博打やら・・そんな話が出てきたらファンが泣くよ。」

「・・・・。」


「スターのまま死にたい。私の遺体を掘り起こすような証言はやめて。」


「おまえ、自殺したりするなよ。大丈夫だろうな??」


「しないよ。自殺なんかしたくないよ。こんななってもまだTAKAさんみたいな人と結婚できたら・・って思うよ。」


「パスポート再発行して逃げろよ。逃げるならアメリカとかじゃなくてフィリピンみたいな後進国のほうがビザとかもスカスカでいいと思う。」





「ああTAKAさんとフィリピン旅行したいなぁ。」

「勘弁してくれ。」



「あのね、私絶対に自殺しないから。自殺するような子じゃないから・・。もし死んだら・・・殺されたって思って・・。」

「そんなこと言うなよ。逃げろよ。逃げてフィリピンの金持ちと結婚しろよ。」

「また今度はフィリピンのヤクザだったりして・・。」

「いいから、本気で逃げろよ!」

「いや・・、もう駄目なら駄目で・・それが私の運かも・・とか思うよ。私なにもないところから来たんだもの。なにもないところに消えるんだよ。でも・・お願い。死んでも何も喋らないで。私には歌しかなかったんだから。」